スマートな映画の歪な続編!? 『キングスマン:ゴールデン・サークル』に漂う、徹夜明けの雰囲気

 マシューは「今までで一番大変な現場だった」と語っていますが、その言葉の通り、徹夜明けのような雰囲気が映画全編を貫いていました。そう思ってみると(妄想してみると)、ヤケクソ気味に歌い上げられる「Take Me Home, Country Roads」は、監督の心の叫びのようにも聞こえてきます。先の見えない仕事をしていると、無性に帰りたくなりますね。分かる、分かるよ、マシュー……。そんなわけで、本作を一言で表すなら「スマートな映画の歪な続編」と言ったところでしょうか。その歪さを好きになれるか、あるいは許容できるかが、作品の評価を分けると思います。

 

■加藤よしき
ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。
『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。

■公開情報
『キングスマン:ゴールデン・サークル』
TOHOシネマズ 日劇ほかにて公開中
監督:マシュー・ヴォーン
出演:コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、タロン・エガ―トン、マーク・ストロング、ハル・ベリー、エルトン・ジョン、チャニング・テイタム、ジェフ・ブリッジス
配給:20世紀FOX映画
レイティング:PG12
(c)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved
公式サイト:http://kingsman.jp/

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