年末企画:小杉俊介の「2017年 年間ベスト海外ドラマ TOP10」 “完成度が高くて当たり前”の先が見えた
アメリカ地上波のホームドラマが本国ヒット後にNHKで放映というかつての王道コースをたどった『THIS IS US』は、亡き父が「そして父になる」過程でこつこつ築いた善なるものが家族という器を通じて確かに受け継がれていく、というテーマも王道でかえって新鮮。女子プロ群像劇『GLOW』は、一発逆転を狙うキャラクターたちの姿に熱くなれる面と、さらっと30分1話をまとめる軽さとのバランスが絶妙。アメリカ短編小説の伝統をオムニバスドラマ形式で引き継いだ『イージー』はシーズン2になってさらに語り口が切れ味を増してきた。『ストレンジャー・シングス』『13の理由』は配信ドラマが新しいエンターテイメントのフォーマットを確立したことの象徴。『ユニークライフ』はどこも新しくないけど高校生たちのキャラをみんな大好きになってしまった。特に主人公の妹ケイシーが最高でした。
いつまでテレビ黄金期が続くのかは分からないが、少なくとも2017年は依然黄金期真っただ中だし、そのさらに先を見据える意識もはっきり感じ取れた。良い年でした。
■小杉俊介
不動法律事務所所属の弁護士/ライター。
音楽雑誌の編集、出版営業を経て弁護士に。
■配信情報
『ゴッドレス -神の消えた町-』
Netflixにて配信中
Netflix:https://www.netflix.com/