『先生! 、、、好きになってもいいですか?』公開記念

中村倫也が語る、生田斗真&広瀬すずとの共演と演技への情熱 「今は芝居が楽しくて仕方がない」

「『うちの斗真はさすがだな』と思って、試写後すぐに斗真くんに電話をかけた」

ーー関矢は森川葵さん演じる千草に思いを寄せられながら、自身は同僚である中島先生に好意を寄せているという役柄です。2人の印象を教えてください。

中村:とはいってもあまり一緒のシーンがないんですよね(笑)。でも、葵ちゃんは本当にかわいいですね。千草はやり過ぎるとそれこそ漫画っぽくなっちゃうキャラクターなので、バランス感覚が必要な、すごく難しい役どころだったと思うのですが、傍から見ていて「さすが実力派だな」と。比嘉ちゃんは普段いじられキャラなのに、中島先生みたいなクールビューティな役をやっていて、面白いなとニコニコしながら見ていました(笑)。

ーー伊藤先生役で主演を務めた生田斗真さんとは、昨年行われた劇団☆新感線の舞台『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』でも共演していましたね。

中村:半年ぐらい彼と一緒に舞台をやって、大千秋楽の3日後に『先生!』がスタートしたんですよ。斗真くんは舞台でものすごくアホな役をやっていたので、3日後の本読みで急に真剣な表情で「俺はやめとけ」とか言っているから、ひとりだけニヤニヤしながら笑いを堪えていました(笑)。

ーーギャップがスゴいですよね(笑)。舞台とはまた違った印象も受けたのでは?

中村:『先生!』は少女漫画原作で、女子高生目線で切り取られている作品なので、伊藤という人物がただのアイコンになってしまう恐れもあったと思うんです。でもそこを斗真くんが演じることによって、伊藤の心の揺れが滲み出ていて、その塩梅はさすがだなと思いました。ただカッコいい人がこの役をやっても色気は出ないと思うんですけど、伊藤自身の軸足が響に惹かれていくことによってブレていく様がきちんと表現されていました。「うちの斗真はさすがだな」と思って試写で観た後すぐに斗真くんに電話をかけましたよ(笑)。

ーーどういう話をしたんですか?

中村:何を話したのかはあまり覚えていないんですけど……でも「メガネを触る仕草がカッコよかった」と言ったら照れていたのは覚えています(笑)。斗真くんはポップな作品から、LGBTものやアクション、SFなど、割とジャンルの色が強い作品に出ているイメージが強くて、今回のような地味だけど色気がある役を演じるのは珍しいと思うんです。そういう意味で、『先生!』は新しい生田斗真が見られる作品になっています。響役の(広瀬)すずちゃんも日本一のハマリ役ですしね。

ーー広瀬さんの印象はどうでしたか?

中村:本当にスゴいですね。恐ろしいです。でも実はものすごい努力家なのではないかなと感じました。というか、19歳で特に何も考えずにあれだけの魅力とチャーミングさと演技力を備えているとしたら引きますよ(笑)。陰で努力していてほしいという願望ですね(笑)。僕はすずちゃんの担任役なので、席順と写真と役名と本人の名前が入った、自分のクラスの生徒一覧が書かれた名簿のようなものをもらっていたんです。その名簿は映画には登場しないんですけど、すずちゃんの写真のところだけオーラが滲み出ていて。斗真くんとやった舞台を観に来てくれたときも、すずちゃんが座っていた席だけ光っていましたから。スターってこういう人のことを言うんだなという感じがしましたね。

「今は本当に芝居が楽しくて仕方がない」

ーー中村さん自身もドラマや映画など大活躍しています。最近は『100万円の女たち』(テレビ東京系)や『デッドストック』(テレビ東京系)、『伊藤くん A to E』(TBS系)など、少しクセのある役どころも続きましたが、そのような個性の強い役と今回のようなあまり個性がない役、演技のアプローチに違いは生まれますか?

中村:今挙げていただいたような作品では、立ち回りでいうところの“かかり”となる役だったので、思い切りやれる楽しさがありましたが、今回の『先生!』や、今やらせていただいているドラマ『新宿セブン』(テレビ東京系)で演じているのは、いわゆる“生っぽい”というか、クセがない、この世界のどこかに実際に存在するような役柄で、こっちはこっちで“受け”の楽しさがあるんですよね。土台は同じなんですけど、種類が逆なので、その中で人と芝居をしていく楽しさをここ1〜2年ぐらい実感しています。だから今はどんな現場に行っても、どんな役をやっていても、本当に芝居が楽しくて仕方がないんです。本当に今死んでもいいなと思えるぐらいで。

ーー演技をする上で楽しさがより強くなってきたと。

中村:でも、自分がどんな役を演じるかよりも、誰と一緒に芝居をするか、どんなチームで作品を作り上げるかによって、芝居の楽しさは決まってくるのかなと思います。自分がひとり家でニヤニヤするような芝居でも、本当にひとりで家で演じているのと、実際に現場に行って演じるのでは、全く違いますから。最終的に映像として残るものは現場で生み出されるものなので、今後も現場での出会いや芝居を大切にしていきたいと思います。

(取材・文=宮川翔)

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※どちらかはお選びいただけません。

<応募締切>
11月3日(金・祝)

■公開情報
『先生! 、、、好きになってもいいですか?』
10月28日(土)新宿ピカデリーほか、全国ロードショー
監督:三木孝浩
脚本:岡田麿里
出演:生田斗真、広瀬すず、竜星涼、森川葵、健太郎、中村倫也、比嘉愛未、八木亜希子、森本レオ
原作:河原和音「先生!」(集英社文庫コミック版)
主題歌:スピッツ「歌ウサギ」(ユニバーサルJ)
製作:映画『先生!』製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)河原和音、集英社 (c)2017 映画『先生!』製作委員会
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/sensei/

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