戸田恵梨香、まさかの三角関係に? 『コード・ブルー』第4話で描かれた“笑顔の効能”

 「医者が見せる不意の笑顔は、案外、手術や薬よりも患者の心を癒すのかもしれない」(緋山美帆子/戸田恵梨香)。8月7日に放送された『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジテレビ系/以下、3rd season)の第4話。「医者は突然窮地に立たされる。あらゆる事態に備えて準備していたとしても、現実は予測を上回る。そして、医者はたいてい負けず嫌いだ。予測を上回る現実にさえ、勝ちたいと思う」という藍沢耕作(山下智久)のナレーションから始まる。そして、「だから、手を動かし考え続ける。きっと、何か方法はある」と続くのだった。

 第4話のタイトルは“笑顔の効能”。笑顔が人にとってどれほど影響を与えるのかが描かれた。第3話で、救命に運び込まれてきた料理人の緒方博嗣(丸山智己)。彼は頸椎に脱臼骨折というダメージを受け、処置をするも手に後遺症が残り、細かい作業が困難になってしまった。そんな緒方だが、人生を決して諦めず、再び料理人に戻ると宣言。そして日々、前向きにリハビリに励んでいた。だがそんな中、自分が一から作り上げた店をクビになってしまう緒方。それも、自身の一番弟子がその店をオーナーから任されたという。今のお前の力量では無理だという緒方に対し、弟子は「緒方さん、その手で何作るんですか? (中略)今のあなたよりは、まだ俺の方がマシな物作れます」と言い返されてしまう。

 そんな緒方だが、決して人前でネガティブになることはない。同じく、もともと所属していた周産期医療センターに自分よりも若い女性が入り、ポジションを取られてしまった緋山。本当にやりたかったことは、救命ではなくお産に関わる現場だったため、落ち込んでいた。そんな彼女の異変に気付いた緒方は「何かあった? 暗い顔して」と、いつもの調子で声をかける。緒方の明るさに思わず悩みを打ち明けてしまう緋山は、一通り説明したあとに「もう別の人が入っちゃって。私の居場所、なくなっちゃった」と弱音を吐く。それを聞いた緒方は、「何、言ってんだよ。頼まれて来る場所があるだけいいじゃないかよ」と笑い、「俺なんか(中略)もう、お先真っ暗だよ。いや、真っ暗どころじゃないよ。もう、闇だよ。闇」と自虐ネタを含めて、緋山を励ます。命よりも大切な料理(店)を失って誰よりも辛いはずの緒方。それなのに、なぜいつも明るいのかと尋ねられた緒方は、「闇ん中で暗くなってたら、自分自身がどこにいるかわかんなくなるだろ? だから、闇ん中にいるときこそ、気合いで明るくすんだよ。そしたら、周りも見えてくる」と微笑んだ。

 “闇の中にいるときこそ、気合いで明るくする”。これは、橘啓輔(椎名桔平)や、橘と三井環奈(りょう)の長男、優輔(歸山竜成)にも共通しているように思う。拡張型心筋症を患っている優輔は、11歳10ヶ月にして、移植希望登録をしてから812日が経っていた。そんな中、優輔と仲が良く、同様に拡張型心筋症を患っている11歳8ヶ月の少年・佐倉暁人が、移植希望登録をしてから635日目に、心破裂で亡くなってしまう。数少ない会える友達だった暁人の死は、優輔にとってたまらなく辛いはず。なおかつ、同じ病気だっただけに、“次は自分”の番かと思い、今にも恐怖に押しつぶされそうなはずだ。だが、優輔は決して泣かない。両親の前で悲しい顔も見せないのだ。

 だが、印旛川で打ち上げられている花火を見ながら、優輔は思わず泣いてしまう。「暁人と一緒に見たかったな……」と。そして、「ごめん……、泣いちゃダメだよね。心拍が上がっちゃう」と続ける。そんな優輔を見て、事前に橘から「笑顔でいてやってくれ」と頼まれていた三井は、冗談を交えながら必死に涙をこらえて笑う。そんな母親の笑顔を見た優輔は「よかった。やっぱり、笑ってるお母さんがいいな」と顔をほころばせるのだった。第4話の冒頭でも、不満と不安が混ざった三井の険しい顔を心配そうに眺めていた優輔。彼は、自分が最も辛いはずなのに、普段どおりに振る舞おうと努め、いつも両親のことをしっかりと見ていた。そして、それに気づいていた橘は、わざと優輔の前ではヘラヘラと笑っていたのだ。優輔が普段涙を見せないのは、心拍数が上がってしまうからだという。だが、理由はそれだけではないように思える。いつ心臓が止まってしまうかわからない綱渡りの日々。そんな闇の中にいるからこそ、少しでも、大好きな両親を明るく照らしていたいのだろう。

 天才ピアニストの天野奏(田鍋梨々花)は、藍沢の笑顔を見て、「久しぶりに見た。藍沢先生が笑ったの。何か、大丈夫な気がしてきた。先生の笑った顔、見たら」と言い、手術を受ける決意をする。そう、笑顔は人の心を安らげる。安心こそ、患者やその家族にとって最も必要なものではないだろうか。だからこそ、フライトナースの冴島はるか(比嘉愛未)はじめ、フライトドクターの藤川一男(浅利陽介)らは患者やその家族に笑顔で、優しく接しているのだ。

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