新田真剣佑は“瞳”で物語るーー『僕たちがやりました』『ジョジョ』で見せた演技力
急展開が相次ぎ、物語はいっこうに衰える気配を見せない『僕たちがやりました』(フジテレビ系、関西テレビ)。逃亡生活を余儀なくされ、散り散りになってしまったトビオ(窪田正孝)たちだったが、先週の第5話のラストではまさかのパイセン(今野浩喜)がトビオの前に登場。第6話の予告では、伊佐美(間宮祥太朗)、マル(葉山奨之)も加わり、4人ではしゃぐ姿が見て取れた。この最高な4人が並ぶところがやっと見られると、胸が高鳴っているのは筆者だけではないはずだ。
しかし彼ら4人と同じくらい、その動向から目が離せない存在が、矢波高校のトップ・市橋(新田真剣佑)だろう。初登場時からトビオたちの恐るべき存在として、無感情的で虚ろな瞳と、言葉少なのゆったりとした口調がかえって恐ろしく、視聴者ともども恐怖に陥れてきた。感情が見えづらく、“次に何をするか分からない”キャラクターとしては、トビオたちの一歩先を行く存在でもある。
爆発事件以来、体の自由が効かない彼は、トビオたちへの復讐に燃えている。そんな彼が、涙を流して感情を爆発させ、「夢」や「想い」を口にした時、驚いた視聴者も多かっただろう。根はごくごく普通の高校生なのだ。蓮子(永野芽郁)が彼に手を差し伸べた理由は、トビオ探しにおける利害関係の一致からでなく、実はその姿に胸を打たれたからだったのではないだろうか。
仲間たちが手の平を返していく中、蓮子に対しては「変わらず接してくれるのはお前だけだ」と、少しずつ心を開いていっている市橋。市橋が蓮子の顔を自分の方に引き寄せ「お前のこと、好き」と、また新たな想いを口にした場面は、第5話最大のハイライトだろう。その言葉や行動以上に、初めて蓮子に向けた真っ直ぐな“瞳”に衝撃を受けた。まったく、次に何をするか分からない。