『銀魂』のヒットを支える、ムロツヨシ&佐藤二朗 “悪ふざけ”の魅力

 7月14日に公開から4日間で観客動員74万2254人、興行収入9億8200万円というロケットスタートを切った映画『銀魂』。原作者の空知英秋の愛のある応援や、いい意味で“悪ふざけ”している作品の世界観を全力で楽しむ福田雄一監督をはじめとしたスタッフやキャストの雰囲気など、ヒットの要因はいろいろ挙げられるが、その“悪ふざけ”を大いなる魅力に昇華している俳優たちがいる。福田組常連の佐藤二朗とムロツヨシだ。

 現在、ムロは大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)で瀬戸方久を演じるほか、連続ドラマ『ハロー張りネズミ』(TBS系)にも出演中。佐藤も公開中の映画『メアリと魔女の花』で声優を務め、連続ドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)にも出演している。各々のキャラクターを活かし、バラエティ番組へ出演する機会も増えている、どちらも引っ張りだこの売れっ子俳優。

  そんな2人だが、『銀魂』でムロは平賀源外、佐藤は武市変平太を演じている。福田監督は「たいした役でもないから」と起用理由についてはぐらかしていたが、一方で2人を「精神安定剤」とも言っている。福田監督作品のなかで、彼ら2人の視聴者の目を留まらせる芝居の安定感には、絶大なる信頼を置いているようだ。

 その言葉通り、『銀魂』でも揺るぎない“悪ふざけ”の芝居を披露しているムロと佐藤。ムロは江戸随一の発明家として、著作権ギリギリの発明品たちを開発していく人物を演じているが、小栗旬演じる主人公・銀時との絡みでは、延々と銀時の胸元を無意味にパンチするシーンを繰り返すなど、一見意味のわからない演技を披露。小栗はこのシーンによって、胸に大きなあざができてしまったことを打ち明けるなど、行動すべてをプロモーションにまで使い切る“悪ふざけ”ぶりには脱帽だ。佐藤が演じた武市も、頭脳明晰な策略家というキャラ設定がありながら、劇中では“変人ぶり”を発揮。菅田将暉演じる新八とのシーンでは、強烈で意味不明なアドリブで、同じシーンに登場する来島また子役の菜々緒を、素で笑わせてしまうなど爆発的な“悪ふざけ”を披露している。

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