EXILE HIRO×別所哲也が語るショートフィルムの可能性 「これまでにないマーケットを開拓できる」

 EXILE HIROが率いるLDH JAPANと、俳優の別所哲也が代表を務めるショートフィルムの総合ブランド「ShortShorts」が、この度コラボレーションを果たした。「CINEMA FIGHTERS」と銘打たれたこのプロジェクトの作品は、現在、「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2017」(以下、SSFF & ASIA)の各会場にて公開されており、今秋には劇場公開も決定している。

 「CINEMA FIGHTERS」は、作詞家・小竹正人が手がけたEXILE TRIBEの人気楽曲を、気鋭の映画監督たちがショートフィルム化する企画で、2016年のカンヌ国際映画祭短編部門の審査委員長を務めた河瀬直美監督ほか、6人の監督が参加している。また、EXILE TRIBEからは、AKIRA、岩田剛典、Dream Ami、石井杏奈、町田啓太、鈴木伸之らが役者として参加。個性豊かな6作品を、それぞれのカラーで彩っている。

落合賢監督『SWAN SONG』

 今回、リアルサウンド映画部では、6月1日に行われた「CINEMA FIGHTERS」プレミア試写を訪れ、エグゼクティブプロデューサーのEXILE HIROとSSFF & ASIA代表の別所哲也に取材を敢行。今回のコラボレーションが実現した経緯から、ショートフィルムが持つエンタテインメントとしての可能性についてまで、大いに語ってもらった。

HIRO「最高のスタートラインに立つことができた」

ーーEXILE TRIBEの人気楽曲をショートフィルム化するアイデアは、とても刺激的です。SSFF & ASIAは世界に開いた映画祭で、ワールドワイドに活躍するLDHとも相性が良いと感じました。そもそも、コラボレーションのきっかけは?

HIRO:僕はもともとSSFF & ASIAのファンだったのですが、別所さんとお会いしたときにその活動について詳しくお話を聞いて、改めて素晴らしさを感じました。それで、「なにかご一緒にしたいですね」とお話させていただいて、それからコミュニケーションを重ねることで、徐々にアイデアが固まっていきました。

別所:本当にご縁ですね。僕自身も、音楽とショートフィルムをいかに繋げるかというアイデアを温めていたタイミングだったこともあり、すぐに一緒にやることが決まりました。作詞家・小竹正人さんの世界観を映画にするアイデアは、HIROさん発案のものでした。ミュージックビデオとはまた違う、国際映画祭に出すことができる“短編映画”を制作して、新しい映画のあり方を提示したいというビジョンは、そのときから共有していましたね。また、私たちの映画祭に集まってくる、まだ無名だけれども才能のあるクリエイターに対して、新しいチャンスを与える場を作りたいという想いもありました。LDHの映画配給会社・LDH picturesが、その道を切り拓いてくれたんです。

ーーHIROさんは、映画というエンタテインメントについて、どんな可能性を見ていますか?

HIRO:僕は映画が大好きで、そこから新しいエンタテインメントのインスピレーションを得ることが多かったんです。ミュージックビデオはもちろんのこと、新しいライブの演出にも、映画の影響はあります。映画は、その物語や展開にリズムがあり、登場人物それぞれに個性があって、総合的なアートでもある。EXILE TRIBEが目指すエンタテインメントとも通じる部分があり、そこに刺激を受けていました。だからこそ、いつかは自分たちで映画を作ってみたいと夢見ていたんです。今回のコラボレーションで、別所さんからアイデアをいただくことで、小竹正人さんの世界観を魅力的な短編映画にすることができたのは、僕たちにとっても非常に楽しく有意義でした。映画界の新たな才能と、EXILE TRIBEのメンバーがコラボすることには、まさに無限大の可能性があると思います。

ーー使用する楽曲やキャストはどのように決まったのでしょう?

別所:楽曲とキャスト陣については、HIROさんがアイデアを出してくれました。まさに一緒にクリエイトしている感覚で、ここまでたどり着いたので、産みの苦しみはありましたけれど、本当に楽しかったですね。LDHのすべてのクリエイティブとパワーを、ショートフィルムに込めてくれたなと感じています。

HIRO:監督陣の世界観を大切にしているのも、「CINEMA FIGHTERS」のポイントですよね。良い意味での個性のぶつかり合いが生まれるように、それぞれの作家性を存分に発揮してもらっています。だからこそ、仕上がりがどんな風になっているのか、すごく楽しみでした。

河瀬直美監督『パラレルワールド』

別所:しかも、その先陣を切っているのが河瀬直美監督というのも、このプロジェクトに勢いを付けてくれました。河瀬監督がすごく意欲的に取り組んでくれたので、ほかの監督にとっても刺激になったのではないかと思います。河瀬監督以外は、SSFF & ASIAに自らエントリーしてきた方々で、やる気に満ち溢れています。彼らはこれまで、海外のフィルムスクールで勉強をしたり、日本でミュージックビデオを作ってきて、今回の映画祭を大きなチャンスとして捉えているはずです。

HIRO:もともと河瀬さんは、EXILEに詳しい方ではなかったのですが、メンバーたちのエネルギーやパワーに共鳴してくれて、今回のオファーを引き受けてくれたんです。その結果として、監督陣はもちろん、キャストにも良い化学反応を起こしてくれました。河瀬さんは、いまでは小竹正人さんとすっかり仲良しで(笑)、今後も一緒に面白いことができそうです。最高のスタートラインに立つことができたおかげで、すでに次のビジョンも見えてきました。今回のバラエティ豊かな作品に触れたことで、さらなるアイデアも生まれましたし、良い意味で反省点もありました。また別所さんに相談しながら、さらに面白いことをやっていきたいですね。


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