『帝一の國』で人気急上昇! 岡山天音は次世代の“名バイプレーヤー”だ

 

 作品を支える縁の下の力持ちといえる脇役。本来、スポットライトが当たらない役回りに思えるが、脇役界の重鎮たちを主演に据えたテレビ東京の連ドラ『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』の人気も示す通り、昨今では名バイプレーヤーという言葉も浸透し、主役ではなく、この人を見たいからという、視聴者や観客の作品選びを左右する存在にもなっている。そんなバイプレーヤー界のアンダー25として台頭しているのが、22歳の岡山天音だ。

『ポエトリーエンジェル』(C)田辺・弁慶映画祭の第10回記念映画プロジェクト

 俳優デビューは09年のNHKドラマ『中学生日記』。転校生シリーズの『少年は天の音を聴く』で主人公の少年に扮し、このときに演じた役名の岡山天音がそのまま芸名となった。その後も映画『犬とあなたの物語 いぬのえいが』、『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』、『人狼ゲーム』、テレビドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』、『リアル鬼ごっこ THE ORIGIN』、『半沢直樹』など、途切れることなく話題作への出演を重ねていく。

『ポエトリーエンジェル』(C)田辺・弁慶映画祭の第10回記念映画プロジェクト

 主役以外のキャストとして多数の作品に出演している俳優は、数えきれないほどおり、その入れ替わりも激しい。当然ながら、それだけでは名バイプレーヤーにはなれない。名バイプレーヤーと呼ばれる俳優たちは、みな主演も張っており、基盤となる演技力と共に、その人独自のオーラを放って鮮烈な印象を残す。単純に見た目をとってみても、多くの中に埋もれてしまうようなどこにでもいる外見というより、外見だけでもインパクトのある人が多い。

 岡山の、涙袋の目立つ少々離れたタレ目が、まさに武器になる。イケメンの隣に立つことで、その個性はさらに際立つ。近年、さらに勢いを増してきた印象があるのも、20代となり、いわゆるイケメン役者たちと並んでの出演が増えたこともあるだろう。

『ライチ☆光クラブ』(C)2016『ライチ☆光クラブ』製作委員会

 野村周平主演、間宮祥太朗、古川雄輝ら共演による、カルト的な人気を誇るコミック、舞台を映画化した『ライチ☆光クラブ』では陽気な性格のヤコブに扮した岡山。役作り的にはほかのキャラクターほどの特徴のないヤコブだが、岡山は自身の個性によって、周囲の濃いキャラクターと並び立ってみせた。濃いキャラクターの青年たちが主人公といえば、公開中の青春コメディ『帝一の國』もそう。『ライチ☆光クラブ』も『帝一の國』も、同じ古屋兎丸原作である。

 菅田将暉、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大がそれぞれに振り切れたキャラを楽しそうに演じきって話題だが、いつも紹介される6人以外のキャラクターも人気を得ており、岡山が演じた副ルーム長・佐々木もそのひとり。“帝一メンバー”が集まる最後の舞台挨拶として行われた声出し自由な応援上映イベントの際に、壇上の菅田が、別の日に行われた応援上映にお忍びで訪れたときのことを振り返り、「佐々木の人気がすごくてビックリした」と話したほど。

関連記事