窪田正孝が示す、新たなアクション俳優像ーー顔は可愛くて細マッチョの破壊力
近年、窪田正孝のアクション作品への出演が続いている。日テレ×Hulu共同製作ドラマ『THE LAST COP』に続いて、その続編となる映画『ラストコップ THE MOVIE』や本日、特報映像が公開されたばかりの『東京喰種トーキョーグール』。現在放送中の土曜ドラマ『4号警備』(NHK)では主役を演じており、激闘シーンや体を張った演技が際立つ作品ばかりだ。三浦翔平や千葉雄大といった同世代の俳優の中でも、とりわけ窪田が、アクション作品に多く起用されている理由を考察したい。
昨年公開された映画『ヒーローマニア-生活-』で窪田は、特殊な身体能力を持つ格闘技マニア・土志田誠を演じていた。ニット帽を深々とかぶった窪田は、小柄で大人しそうな外見ながら、武道を使って暴走族やチンピラを次々と華麗に倒していた。原作漫画で描かれていたキャラクターのイメージがしっかり再現されており、なにより窪田の身軽さと格闘技のキレの良さに驚いた。
いくつものアクションシーンを演じている窪田だが、その原動力となっているのは、鍛え抜かれた筋肉だ。『THE LAST COP』で窪田は、リングの上で戦うシーンで上半身裸になり、その肉体美を披露していた。バラエティ番組などに出演しているときの窪田は、控えめでシャイな可愛らしい青年そのもの。しかし、ひとたび衣服をはだけると、アスリート並みの見事なボディを誇っているのである。太くたくましい二の腕、綺麗にシックスパックが浮き出た腹筋、しなやかに盛り上がった胸筋。可愛らしさとたくましさのギャップは、多くの女性に「抱かれたい」と思わしめる魅力がある。(窪田正孝の腹筋がスゴい! 『ラストコップ』細マッチョボディに感嘆の声)
『4号警備』で窪田は、民間警備会社に務める警備員・朝比奈準人として、拳銃も手錠も所持せず、体を張って命がけで顧客を守る任務を行う。先週放送された第1話では、窪田が車の上に登り、爆弾を装着したドローンに向かって飛び込む場面など、アクロバティックな演技を披露していた。また、警護対象者を襲う犯人に対して、壁をつかった飛び蹴りや、関節技や腕ひしぎ逆十時固めなどで、相手に怪我をさせずに捕まえるスマートな戦い方を見せていた。一方、格闘技ジムのシーンでは、窪田は凶暴な野獣のごとく暴れていた。窪田のアクションは一辺倒ではなく、シーンによってその表情をガラリと変えるのだ。ここに、彼が多くのアクション作品で重宝される理由があるといえよう。
また、同作では、窪田の発する言葉でも、心身ともに“たくましい”ことを感じさせていた。第1話で、窪田演じる朝比奈準人は、警護を担当する目の見えない男性が弱音を吐くのに対し、胸ぐらを掴み、「いい加減にしろよ! 死にたくなかったら家にいろよ、命に関わるんだよ、生きてなかったらしょうがねえだろうが」とストレートなセリフを放っていた。さらに、「生きるってなんですか」と質問する彼に対し、「死ぬの反対だよ馬鹿野郎」と、シンプルで力強い回答を示していた。理屈より勢いを重視するその台詞は、複雑な会話劇が多い昨今のテレビドラマ界において、かえって眩しい。