吉高由里子、榮倉奈々、大島優子、それぞれの“幸せ”とは? 『東京タラレバ娘』が出した答え

 「私が幸せだったことは、私が認めることにした」。3月22日に放送された『東京タラレバ娘』、最終回となる第10話では、主人公の倫子(吉高由里子)を軸に、香(榮倉奈々)、小雪(大島優子)のタラレバ娘3人がそれぞれの“幸せ”を考え進んでいく模様が描かれた。

 これまで幸せを手にしようと必死にもがいてきた倫子だったが、なかなか思うようにいかない。そんな中、かつての職場の先輩であり、8年前に一度振った早坂さん(鈴木亮平)と付き合うことに。早坂さんは、真面目で優しく、気取らない、一途に想いを寄せてくれる、絵に描いたようないい人。また、倫子とは、古くからの付き合いであり、馬も合う。将来も有望で、周囲も認めるほどいい夫(彼氏)。なおかつ、変に肩肘張らない相手であるため一緒にいて心地いい。そんな早坂さんと仲睦まじく過ごしていた倫子は、“普通の幸せ”を感じ、それなりに満たされていた。

 同棲の話が進み、一緒に物件探しを始めた早坂さんと倫子。不動産屋で1LDKのマンションを勧められるも、早坂さんは「やっぱり2LDKがいいかな……」と渋る。なぜ2LDKにこだわるのかと疑問を持つ倫子に「これだと倫子さんの仕事部屋がないでしょ? 僕も原稿に集中してる倫子さんの邪魔したくないから」と優しく微笑んだ。倫子に対して、常に想いやりの心を忘れない早坂さん。その上、決して愛情や優しさを一方的に押し付けない。早坂さんが元来もつ人柄の良さゆえ、息を吐くように自然な振る舞いなのだ。

 そんな普通の幸せ真っ只中の倫子だったが、KEY(坂口健太郎)のことがどうしても気になってしまう。第9話では、早坂さんの家に向かう途中で、亡くなった奥さんのことを引きずり、ボロボロになったKEY(坂口健太郎)とたまたま遭遇してしまう倫子。憎まれ口を叩くいつものKEYとは打って変わって、過去に囚われ後悔ばかりを口にする。そんなKEYに対して倫子は「バカじゃないの?」「あんたこそタラレバ男じゃん!」と一喝。奥さんがKEYにどんな気持ちを抱いていたかわかるという倫子は「結婚したいっていう夢も叶えてくれて、感謝しかないよ」と必死に訴えかけた。厳しい口調ながらも優しさ溢れる言葉でKEYを包み込み、抱きしめる倫子。倫子の胸の中で泣きじゃくるKEYをそのまま、家に一晩泊めてしまう。

 KEYは倫子の家のソファで朝まで寝ていただけで、それ以上でも以下でもない。しかし、早坂さんに「腹痛で会えなくなった」と“つい嘘をついてしまった”倫子。その嘘こそが倫子の“本心”を物語っていた。KEYを好きだという隠さなければいけない想いから、倫子は倫子のために嘘をついたのだ。早坂さんとの普通の幸せを手にいれたい。安定した未来にすがりつきたい。早坂さんに対して何の不満もないし、人として好きであるからこそ手放したくない。憧れていた結婚も、思い描いていた幸せも間近なのだ。「心配だったから、人助けをしただけのつもりで」と自分に言い聞かせ、「ほっとけない」存在であるKEYに対しての想いに蓋をする。冒険よりも堅実な道を選ぶ。「女30(歳)、本能のまま生きられるほど若くない」。

 早坂さんにひょんな事から嘘がバレ、KEYを泊めたという“事実”を話す倫子。早坂さんは怒りもせず、ただただ倫子の話をしっかりと聞く。倫子がKEYのことを好きだという“真実”に気づいてしまい、涙を必死に堪えながら、悲しそうに微笑む早坂さん。最終的に早坂さんから「僕はタラレバ男にはなりたくない」「僕たち戻ろう、仕事仲間に」と別れを告げる。傷ついているのは早坂さんの方なのに、最後まで倫子のことを責めずに、温かく見守り続けた。これほど相手を想いやり、慈しめる人がこの世にいるのかと思わせるほど、温かい心の持ち主である早坂さん。最も幸せになって欲しいと、多くの視聴者が願ったことだろう。

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