『お嬢さん』サラ・ウォーターズから“原作表記NG”を受けていた!? 製作秘話が明らかに

 パク・チャヌク最新作『お嬢さん』が、原作者のサラ・ウォーターズから“原作”表記はNGと言われていたことが明らかになった。

 本作は、『オールド・ボーイ』で第57回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞したパク・チャヌクの最新作。1939年、日本統治下にある朝鮮半島を舞台に、詐欺師の伯爵と孤児の少女・スッキが、莫大な遺産の継続権を持つ令嬢・秀子を騙すために、とある計画を実行していく模様が描かれる。

 原作者のサラ・ウォーターズは、2003年に『半身』、2004年に本作の原作『荊の城』で、「このミステリーがすごい!」の1位を獲得している。原作の舞台は、19世紀のイギリス。パク・チャヌク監督は、イギリスのBBCですでに原作がテレビドラマ化されていることを知り、本作の設定を1939年の朝鮮半島に置き換えた。さらに、映画のラストシーンは、原作とまったく違うものにしたという。監督は、「もちろん原作の物語も大好きだったけれど、私がいち読者として、いち視聴者として、こういう物語がみたいな、こういう結末になったらいいのに、というストーリーに変更したのです」とコメントしている。

 監督曰く、ウォーターズが脚本を読んだ際には、原作と設定もストーリーも変わっているため、原作表記ではなく“原案”表記を促されたという。しかし、ウォーターズは完成した映画に大満足し、5回も観るほどはまってしまい、結果“原作”表記を許したのだとか。

■公開情報
『お嬢さん』
TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ新宿ほかにて公開中
監督:パク・チャヌク
原作:サラ・ウォーターズ「荊の城」(創元推理文庫)
キャスト:キム・テリ、キム・ミニ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン
配給:ファントム・フィルム
2016年/韓国/145分/シネマスコープ/5.1ch/R-18指定
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公式サイト:ojosan.jp

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