“異世界転生”アニメはなぜ増えた? 『ソードアート・オンライン』以降のWeb小説ブーム

 なろう系には熱狂的なファンが多い反面、アンチの存在も目立つ。批判の声としてよく挙がるのは、「設定やストーリーがカブりがち」というものだ。なろう系に多いのは、「現実世界では冴えない男主人公が、異世界に転生して大活躍し(チート)、複数の女性に好意を抱かれる(ハーレム)」というストーリー展開だ。そのため、あまりに無双すぎる主人公を揶揄して、「俺TUEEE系」と呼ばれることもある。しかし、こうした批判は人気と表裏一体のものだ。ネガティブな意見がありつつも、本日公開の『SAO』劇場版を筆頭に、今後もしばらくなろう系ブームは続くことだろう。

 さらに、今期アニメ『幼女戦記』のように、異世界転生ものでありながら、なろう系の紋切り型から大きく外れた作品も出てくるようになった。多くのアマチュア作家たちがネット上で切り拓いてきた今日の異世界転生ジャンルは、今後もさらに切磋琢磨され、アニメシーンにも大きな影響を及ぼすだろう。

■まにょ
ライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。
Twitter:https://twitter.com/manyotaso

『劇場版 ソードアート・オンライン ーオーディナル・スケールー』
2017年2月18日(土)より公開
原作:川原 礫(電撃文庫刊)
監督:伊藤智彦
出演:松岡禎丞、戸松遥、伊藤かな恵、竹達彩奈、日高里菜、神田沙也加ほか
(c)2016 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project
公式サイト:http://sao-movie.net/

関連記事