『デスノート Light up the NEW world』池松壮亮インタビュー

池松壮亮、『デスノート』東出昌大&菅田将暉との共演を語る 「三つ巴の闘いで俳優力が試された」

「俳優力が試されていると感じた」

 

ーー髪型や衣装も非常に特徴的でした。

池松:髪型に関しては、白髪という案をもらって、1回全部白髪にしようとしたんです。Lの遺伝子として生まれ、負けず嫌いさを引き継ぎ、正義を受け継ぐ。そんなの、相当苦労するだろうし、人生ぶっ壊れると思ったんですよね。そういう意味では、僕自身も白髪という案には大賛成でした。Lも夜神月も、あれだけ人気の原作の中で皆さんに愛されたキャラクターなわけで、それを松山さんと藤原(竜也)さんが素晴らしく作り上げた。それをオリジナルで超えるのは、どうやったって無理だと思ったんです。だから、いつもはそんなこと考えないんですけど、今回はちゃんと“キャラクター”にしなければいけないなと。「『DEATH NOTE』の世界から10年後、ある3人の男がいました」だけではなく、それぞれが強烈なキャラクターとして立っていたほうが、きちんと『DEATH NOTE』の世界になる気がしたんですよね。結果的に白髪は全部ではなく一部になりましたけど、カラーコンタクトを入れたり、普段は絶対やろうとは思わないことを結構やらせてもらいました。

 

ーー映画では、東出さん演じる三島、菅田さん演じる紫苑との三つ巴の闘いが描かれます。2人とは役作りについて何か話をされましたか?

池松:こうしていこうみたいな直接的な話はしていませんが、みんなにとっての設計図である台本を基に、監督が調整したり、僕たちもキャラクターを作り上げたりしていく中で、いろいろ話はしましたね。10年前に2人だったのが、今回3人になるっていうのはやっぱり結構大きくて。だから、俳優力が試されているなと感じました。東出さんとは今回初めての共演でしたけど、菅田くんとは共演したことがあったので、「こうくるんじゃないかな」とかいろいろ想像しながらやりました。

ーー東出さんとの共演はいかがでしたか?

池松:すごく面白かったです。キラとLとの闘いが『DEATH NOTE』の醍醐味のひとつですから、今回に関しても、三島と竜崎は張り合っていないといけない。それも、どちらかのレベルが下がれば、もう一方のレベルも下がってしまうようなものだったので、常に相手をひとつ超えたやり取りを重ねようと思いながらやっていました。いい熱もありつつ、熱だけではない何かが生まれていくようなやり取りができたんじゃないかなと思います。それは本当に、相手が東出さんだったからこそできたことでした。菅田くんも含め、きっといつも以上にみんな負けられない闘いというか、それぞれが高い意識を持ってやっていた気がします。

 

ーー3人による闘いは非常に見応えがありました。

池松:『DEATH NOTE』って、“戦争”なんですよね。今回、僕が1番グッときたのはそこで。10年前はどこか余裕を持ってできたけど、こういう状況のいま、デスノートを使って何をどうしようとしたか。僕は、現代社会を受けた作品ができれば、きっといいものになるんじゃないかなと思ったんです。人の生き死にがかかった“戦争”が、作品の中できちんと描かれているので、それがいま『DEATH NOTE』をやる意味なんじゃないかなって。

ーーなるほど。10年前に比べて映像面も進化を遂げています。

池松:僕は普段小さい映画ばかりやっているので、こんなに大きな作品に関わるのは本当に久々だったんです。なので、正直CGにビックリしました。大きな日本映画を観ていないつもりはなかったんですが、それでもここまできたかと驚きましたね。

 

ーー実体のないCGを相手に演技をするのは大変でしたか?

池松:いつもより少し制約があっただけで、そこまで大変だとは思いませんでした。『ジャングル・ブック』みたいな映画ができる時代ですから、大人が大変とは言っていられないですよ(笑)。僕自身も楽しかったですし、お客さんにもそこを含めて楽しんでもらえるんじゃないかとワクワクしています。

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