ゴールデングローブ賞、『レヴェナント』が3部門受賞 イニャリトゥ「本当に誇らしく思う」

 第73回ゴールデングローブ賞の授賞式が、1月10日(現地時間)にロサンザルスのザ・ビバリー・ヒルトンにて行われ、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『レヴェナント:蘇えりし者』が、最多3部門を受賞した。

 『レヴェナント:蘇えりし者』は、ドラマ部門の作品賞のほか、主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ/ドラマ部門)、監督賞(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)の3部門を制覇。ドラマ部門作品賞受賞に際し、イニャリトゥ監督は、「本当に驚きました。本当に誇らしく思っています。こういった人たちとこの映画を作れたことを誇りに思っています」とコメント。監督賞受賞時のコメントでは、「これまで手掛けてきた作品で最も難しいものでした。しかし、素晴らしいスタッフ、キャストたちに救われました。何ヶ月もの間、低温の中で非情な困難な撮影の中で制作を行いました。痛みというものは一時的なものです。しかし映画は永遠です。ですから、苦労なんて何でもないです。レオ、君のおかげで映画ができました。愛してます。わたしの人生最高の経験です。ありがとうございました」と語った。

 ドラマ部門主演男優賞を受賞したディカプリオも、「2年前、我々は自然界に入って、その美しさを映画の中で描くことができました。この作品はサバイバルものです。環境に適応することで精神がいかに変わるかということ、そして信頼というテーマを取り上げています。そしてイニャリトゥ監督は私を信頼してくれたので、本当に感謝しています。同じ旅に参加させていただきありがとうございます」と、イニャリトゥ監督への感謝の言葉を口にした。

 リドリー・スコット監督の『オデッセイ』が、ミュージカル・コメディ部門の作品賞と主演男優賞(マット・デイモン/ミュージカル・コメディ部門)の2部門を受賞した。マット・デイモンは、「まず子供たちに感謝します。そろそろ寝なさいね。妻ルーシーにも感謝します。私はいかに運に恵まれているかということを理解しています。俳優という職業をできることを本当に幸せだと思います。沢山の映画を作りましたが、あまり人に観てもらえなかった作品もありました。ですからこれだけでも観てもらえたら嬉しく思います。リドリー・スコット、あなたのおかげでこの作品ができました。映画を作った全員を代表して感謝します」とコメントを残した。

 ドラマ部門の主演女優賞には、『ルーム』のブリー・ラーソン、ミュージカル・コメディ部門の主演女優賞には、『JOY』のジェニファー・ローレンスが輝いたほか、『クリード チャンプを継ぐ男』のシルベスター・スタローンが助演男優賞に、『スティーブ・ジョブズ』のケイト・ウィンスレットが助演女優賞をそれぞれ受賞した。

 ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの主演女優賞Wノミネートなど、最多4部門5ノミネートを果たしていた『キャロル』、4ノミネートを果たしていたアダム・マッケイ監督作『マネー・ショート 華麗なる大逆転』は惜しくも受賞を逃した。

第73回ゴールデングローブ賞(映画部門)受賞結果一覧

☆印が受賞作品・受賞者

作品賞(ドラマ部門)

『レヴェナント:蘇えりし者』☆
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
『ルーム』
『スポットライト 世紀のスクープ』
『キャロル』

作品賞(ミュージカル・コメディ部門)

『オデッセイ』☆
『JOY』
『Spy(原題)』
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
『Trainwreck(原題)』

主演女優賞(ドラマ部門)

ブリー・ラーソン『ルーム』☆
シアーシャ・ローナン『ブルックリン(原題)』
ケイト・ブランシェット『キャロル』
ルーニー・マーラ『キャロル』
アリシア・ヴィキャンデル『リリーのすべて』

主演男優賞(ドラマ部門)

レオナルド・ディカプリオ『レヴェナント:蘇えりし者』☆
ウィル・スミス『コンカッション(原題)』
マイケル・ファスベンダー『スティーブ・ジョブズ』
エディ・レッドメイン『リリーのすべて』
ブライアン・クランストン『Trumbo(原題)』

主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)

ジェニファー・ローレンス『JOY』☆
リリー・トムリン『Grandma(原題)』
メリッサ・マッカーシー『Spy(原題)』
マギー・スミス『The Lady In the Van(原題)』
エイミー・シューマー『Trainwreck(原題)』

主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)

マット・デイモン『オデッセイ』☆
アル・パチーノ『Dear ダニー 君へのうた』
マーク・ラファロ『Infinitely Polar Bear(原題)』
クリスチャン・ベール『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
スティーヴ・カレル『マネー・ショート 華麗なる大逆転』

助演女優賞

ケイト・ウィンスレット『スティーブ・ジョブズ』☆
ジェニファー・ジェイソン・リー『ヘイトフル・エイト』
ヘレン・ミレン『Trumbo(原題)』
ジェーン・フォンダ『YOUTH(原題)』
アリシア・ヴィキャンデル『Ex Machina(原題)』

助演男優賞

シルベスター・スタローン『クリード チャンプを継ぐ男』☆
マイケル・シャノン『ドリーム・ホーム 99%を操る男たち』
イドリス・エルバ『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
マーク・ライランス『ブリッジ・オブ・スパイ』
ポール・ダノ『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』

監督賞

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ『レヴェナント:蘇えりし者』☆
トッド・ヘインズ『キャロル』
ジョージ・ミラー『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
トム・マッカーシー『スポットライト 世紀のスクープ』
リドリー・スコット『オデッセイ』

脚本賞

アーロン・ソーキン『スティーブ・ジョブズ』☆
トム・マッカーシー、ジョシュ・シンガー『スポットライト 世紀のスクープ』
アダム・マッケイ、チャールズ・ランドルフ『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
クエンティン・タランティーノ『ヘイトフル・エイト』
エマ・ドナヒュー『ルーム』

アニメ映画賞

『インサイド・ヘッド』☆
『Anomalisa(原題)』
『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』
『アーロと少年』
『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』

外国語映画賞

『サウルの息子』(ハンガリー)☆
『Mustang(原題)』(フランス)
『The Brand New Testament(原題)』(ベルギー、フランス、ルクセンブルク)
『The Club(原題)』(チリ)
『The Fencer(原題)』(フィンランド、ドイツ、エストニア)

作曲賞

エンニオ・モリコーネ『ヘイトフル・エイト』☆
カーター・バーウェル『キャロル』
ダニエル・ペンバートン『スティーブ・ジョブズ』
アレクサンドル・デスプラ『リリーのすべて』
坂本龍一、アルヴァ・ノト『レヴェナント:蘇えりし者』

主題歌賞

「Wrinting’s On The Wall」『007 スペクター』☆
「Love Me Like You Do」『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』
「See You Again」『ワイルド・スピード SKY MISSION』
「One Kind of Love」『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』
「Simple Song #3」『YOUTH(原題)』

■公開情報
『レヴェナント:蘇えりし者』
2016年4月 TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
(c)2016 Twentieth Century Fox

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