ZE:A・シワン、EXO・ド・ギョンス、SUPER JUNIOR・カンイン……2016年、注目の“演技ドル”

『二十歳』で等身大の青年を演じるジュノ

 2PMのジュノも注目としてあげたい。ジュノは映画『監視者たち』ではチョン・ウソンやソル・ギョングなど韓国の名優たちと共演。彼らに負けない強い印象を残し、映画『二十歳』でも、男子の日常を演じた。そしてやはり、ほかの演技ドルと同じく、彼も、日常に溶け込む自然さが魅力だと思う。2016年には、『ミセン』でシワンの上司役でこのドラマを引っ張っていたイ・ソンミンとともに、『ミセン』と同じtvNが制作のドラマ『記憶』に出演を予定しているのも注目だ。しかも、イ・ソンミン演じるアルツハイマーを患った弁護士の後輩弁護士役を演じるというのだから、『ミセン』の部長と部下の強い絆を持った関係性を彷彿させる枠組みに、大いに期待してしまう。

『ネコのお葬式』でのカンイン

 さて、最後は日本で映画『ネコのお葬式』が公開のSUPER JUNIORのカンインをあげたい。この作品でカンインは、監督から、感情をおおげさに出さないことを要求され、彼自身も役に自然に入り込むことを心がけたという。個人的に、イェソンがパク・ヘイルなら、カンインは、チョ・ジヌンに雰囲気が似ているように思う。チョ・ジヌンは『チャンス商会~初恋を探して』のような心温まる作品でも、『悪いやつら』や『群盗』のような、男くさい作品でも活躍できる俳優である。カンインも、そういったふり幅のある役を選んでいけば、ほかの演技ドルとは違う新しい演技ドルになれる可能性を秘めているのではないかと思うのである。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■公開情報
『ネコのお葬式』
2016年2月、シネマート新宿、他全国順次公開
監督・脚本・製作:イ・ジョンフン 
原作:ホン作家 
撮影:キム・ムユ
撮影:キム・ムユ 
音楽:イルマ
出演:カンイン、パク・セヨン、チョン・ギョウン
2014年/韓国/107分/5.1chデジタル/カラー  字幕翻訳:李英愛  配給:ハーク
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