【漫画】不登校の問題児の心をほぐすには? 表情の変化もかわいいラブコメ『不登校の雪男くんが、ある日学校にやってきた。』

 人が照れる様子はとても可愛い。人ならざる者であってもそれは変わらない。Xに投稿された『不登校の雪男くんが、ある日学校にやってきた。』では、照れる表情をはじめ、いろいろなキュートな表情が描かれた読切漫画だ。

  人間と人ならざる者がともに通う学校・私立怪元学校で生徒会長を務める温実は、毎日生徒の悩みを解決するために奔走している。この日も生徒の悩みをチェックするため、お悩みボックスを確認すると、不登校気味の雪男(ゆきお)に関する悩みばかり。そこで温実は雪男を探して校内を走り回ると――。

 温実の優しさと雪男の可愛さが交じり合う本作を手がけた鮫野ひがさん(@Higanp_1)に、本作をどのように制作したのかなどを聞いた。(望月悠木)

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『不登校の雪男くんが、ある日学校にやってきた。』(鮫野ひが)

作者お気に入りのカットは

――人ならざる者たちが人間と一緒に勉強する学校を舞台にした背景は?

鮫野:“学園ものに人間と何かを掛け合わせる”という設定が単純に好きで、なにより私らしく描くことができます。ファンタジーすぎる世界観や設定よりも、現代のローファンタジーという形式のほうが共感を得やすく、自分のスタイルに合っていると思っているので、本作もそこをベースに制作しました。

――各々が持つ個性を使ったバトル漫画的な展開も予想しながら読んでいたのですが、あくまで学生間のコミュニケーションを中心に描かれていましたね。

鮫野:もちろん、バトル要素のあるプロットも考えましたが、あくまで今回はシンプルさを優先しました。バトル漫画も描いてみたいですね。

――雪男と温実はどのように作り上げましたか?

鮫野:好きなゲームや音楽を聴きながらインスピレーションを膨らませて作り上げました。基本的にキャラクターは、自分の「好き」と「好き」を掛け合わせることで生まれます。私はアイデアを入れ過ぎる癖があるので、“好き”のジェンガを組み立ててから、積み重ねたものを抜いて後から調整することが多いです。

――温実の天真爛漫な表情、照れたり悶えたりする雪男の表情など、表情が印象的でした。

鮫野:キャラクターの表情を描くことが一番楽しいです。とにかく楽しいので、最大限に楽しみながらも、「ここの表情はもう少しこうかも」など、解釈を一致させながら描いています。ネームの時からそれを伝えたくて、できるだけ表情はしっかり描くように意識しています。


――鮫野さんが特に気に入っている表情はどれですか?

鮫野:15ページの「私今すごくひとりごとしたい気分だ」と勝手に話し始める温実ちゃんの表情です。お茶目さと、ある意味とても賢い温実ちゃんの反転する可愛さが出ているかなと思います。

――また、苦労した表情は?

鮫野:14ページの「話しかけんな」と温実ちゃんに言い放つ雪男くんです。ネームからペン入れをする時、「何か違う」「何か納得いかない」と試行錯誤しながら描いた記憶があります。

――今後はどのような作品を制作していきたいですか?

鮫野:今まで通り好きなものや、「面白い」と感じるセンサーを大切に、今まで以上に“立っている”キャラクターを描くことが目標です。そしてなにより、自分が描いた漫画が雑誌に掲載されたり、連載を持てたりなどを実現できるようになりたいです。今後も少しでも長く誰かの心に留まれる作品を制作していきますので、引き続きよろしくお願いします。今を頑張ります!

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