『キングダム』昌平君、徹夜で仕立てた軍略の相手は全て李牧? 秦国の軍司令を追い込んだ“無茶振り”3選

 最後に記念すべき800話でのエピソード。趙に2度の敗北を喫した昌平君は、自ら斬首を進言するほど落ち込んでいた。しかし嬴政は、諦めることを許さずその後の戦略を昌平君に託すという信頼を表す。その後、昌平君は6日間屋敷に籠るのだが、いつでも自刃できるよう手の届くところに短刀を置いておくというほどの追い込まれよう。

 20万人という甚大な犠牲者と国の損害を考えれば、正気でいられるはずがないことは明らかだ。しかし昌平君は、今にも倒れそうな姿で現れ、「三つの戦争改革」と称した作戦を打ち出したのだ。これまでは武官と武将たちへの指示が主だったが、ついに国に住む全ての人を巻き込む策を練るほどに成長した。

 本稿で紹介した、昌平君に課された無茶振りは、全て相手が李牧であるということに気づいただろうか。合従軍以降、李牧に煮湯を飲まされ続けている昌平君は、「三つの戦争改革」によって報われる時がくるのか、今後の展開が楽しみでならない。

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