『寄生獣』だけじゃない! 超常ミステリーから本格歴史漫画まで、今こそ読みたい岩明均の名作漫画

 漫画家・岩明均の代表作といえば、累計2400万部を突破した『寄生獣』だろう。2014年・15年には実写版が劇場公開され、今年4月にも本作をベースに韓国を舞台としたドラマ『寄生獣 -ザ・グレイ-』がNetflixにて配信されている。『寄生獣』は海外でも高い評価を得ている作品だが、もちろん岩明均の漫画はこれだけではない。そこで今回は、岩明均が描く名作を紹介していこう。

実写ドラマ化で話題の超常ミステリーや原作担当の戦国活劇

 まず紹介したいのが、細田佳央太主演の実写ドラマが7月からDisney+で配信されている『七夕の国』。ちょっとした超能力を使えるのが取り柄の大学生・ナン丸が自分と同じ能力を持つという民俗学の教授・丸神を追って、自身のルーツでもある「丸神の里」の謎に迫っていく超常ミステリーだ。

 超能力をテーマにしているがミステリー要素も強く、終盤になるにつれて伏線が回収されていく気持ち良さも人気のひとつとなっている。ネット上でも「話を作るのが本当に上手」「伏線の回収や情報の出し方が綺麗」など、作者の構成力に感心する声が多く上がっていた。

 作画・構成は『秋津』の室井大資が担当しているが、原作を岩明均が担当した『レイリ』も名作のひとつ。長篠の戦いで家族を失い孤児になった少女・レイリが、武田信玄の孫・信勝の影武者として暗躍する姿を描いた戦国時代劇だ。

 史実では描かれていない時代の隙間を描いた作品で、死にたがりだったレイリや信勝の成長、生き様が見所となっている。岩明均と室井大資のタッグは連載前から話題となっており、読者からは「構図の大胆さ(岩明らしさ)と描写の確かさ(室井らしさ)の融合が素晴らしい」といった意見が上がっていた。

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