『攻殻機動隊』ゴースト、全身義体、電脳化……公安9課と草薙素子を取り巻く難解なSFキーワードを徹底解説

脳以外はすべてサイボーグ! 「全身義体」は便利そうだが、実はリスクも大きい

 「攻殻機動隊」を語る上で欠かせないのが、「全身義体」と言うキーワードだ。主人公の草薙は「脳だけが生身で、全身が義体化されている」女性型サイボーグで、「世界屈指の義体使い」。公式によれば、全身を義体化すると驚異的な能力を得られるが、コストが高額な上、心身の不一致感からくる精神的苦痛など、克服すべき問題点もあるのだという。

 また、身体を義体化してマイクロ・マシンを注入することで、直接ネットに接続できるようになることを「電脳化」というのだが、ハッキングされて自身の記憶や視覚情報を書き変えられ「眼を盗まれてしまう」といった恐れもある。実際シリーズ内では、草薙が自身の義体化前の記憶だと思っていた幼少期の記憶が、実はハッキングによって追加された偽の記憶だった、というエピソードが出てくる。

 また、アニメ1stシリーズの笑い男事件では、市民の電脳やメディアがハッキングされ、街中で起きた事件の犯人の顔に「笑い男」マークが出現。犯人が特定できないというエピソードも。また、眼を義体化しているバトーが戦闘中に眼を盗まれてピンチに陥るというくだりも出てくる。老化もせず疲れ知らず。さらに、いつでも瞬時にネット接続できるため便利そうな「全身義体」だが、自身の体がハッキングの脅威に晒される点は考えものだ。

 今回紹介した以外にも、攻殻機動隊シリーズには、熱源センサーにも引っかからず使用者の姿や熱、音もカモフラージュできる、いわば透明マント代わりの「光学迷彩」や、『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズのタチコマのような、AIを搭載した無人の戦車兵器「思考戦車」といった本作ならではのSF用語が存在する。今から本作ならではの用語を理解し予習しておくことで、新作TVアニメの理解度がさらに高まるはずだ。

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