プッシー・ライオット創設メンバーの“実践的な知”をもとにした「自伝&生き方の指南書」が翻訳発売
ロシアのプロテスト・パンク・アート集団プッシー・ライオットの創設メンバーであるナージャ・トロコンニコワによる自伝&生き方の指南書『読書と暴動 プッシー・ライオットのアクティビズム入門』(ソウ・スウィート・パブリッシング)が発売される。2018年に刊行された『Read & Riot』の翻訳本だ。
プッシー・ライオットは、その挑発的なパフォーマンスと社会に対する鋭い批評で世界的に知られている。その中でも特に注目を集めたのは、FIFAワールドカップ決勝戦での乱入や、母国ロシアでプーチン政権を批判するゲリラ・ライブだ。本書は、プッシー・ライオットの設立経緯から、彼女たちがロシア国内で行った数々のアクション、さらにはロシア当局に逮捕されたのちの苛烈極まる獄中生活までを綴ったトロコンニコワの手記であり、その中から得た実践的な知識を10の基本原則として紹介する「生き方の指南書(サバイバル・ガイド)」となっている。
また、個人の権利と自由を抑圧する体制に対抗するための方法、アクティビズムが社会において果たす役割、アートとアクティビズムがどのように交差するのか、など、現在の社会問題に対する疑問に対して、トロコンニコワがユーモラスに答えていく。キム・ゴードン(ミュージシャン)、オリヴィア・ワイルド(『ブックスマート』ほか)によるあとがきや、清水知子氏(東京藝術大学教授)の解説も収録されているのにも注目だ。
本書はただの自伝や生き方の指南書とは一線を画し、プッシー・ライオットの活動を通じて得た実践的な知識を通じて、私たちがどのように自身の生活や社会をより良くすることができるかを示してくれる。ぜひチェックしてみよう。
【写真】“オルタナティヴを創造せよ”ナージャ・トロコンニコワの金言が満載の『読書と暴動』中面など
<著者略歴>
ナージャ・トロコンニコワ(Nadya Tolokonnikova)
アーティスト、アクティビスト。国際的フェミニスト・プロテスト・アート集団プッシー・ライオットの創立メンバー。2012年、モスクワの救世主ハリストス大聖堂でプーチン大統領とロシア正教会を批判するゲリラ・パフォーマンスを敢行。有罪判決を受け2年にわたって収監された。釈放後は囚人の権利のための非政府組織「ゾーナ・プラヴァ」と独立系通信社「メディアゾーナ」を設立。2022年にはNFTアート収集集団ユニコーンDAOを立ち上げ、ウクライナのために700万ドル以上を集めた。レノン・オノ平和賞およびハンナ・アーレント政治思想賞を受賞。現在では数百人の人々が自らをプッシー・ライオット・コミュニティの一員であると認識している。プッシー・ライオットは、ジェンダーの流動性、包摂性、母権制、愛、笑い、分散化、アナーキー、反権威主義を支持する。ロシア連邦シベリア連邦管区ノリリスク生まれ。
<訳者略歴>
野中モモ
東京生まれ。翻訳者、ライター。訳書に『音楽のはたらき』(デヴィッド・バーン、イースト・プレス)、『GIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝』(キム・ゴードン、DU BOOKS)、『女パンクの逆襲―フェミニスト音楽史』(ヴィヴィエン・ゴールドマン、Pヴァイン)、『世界を変えた50人の女性科学者たち』(レイチェル・イグノトフスキー、創元社)などがある。著書に『野中モモの「ZINE」 小さなわたしのメディアを作る』(晶文社)『デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター』(ちくま新書)など。
<書誌情報>
タイトル:『読書と暴動 プッシー・ライオットのアクティビズム入門』
著者:ナージャ・トロコンニコワ
訳者:野中モモ
解説:清水知子(東京藝術大学教授)
版元:ソウ・スウィート・パブリッシング
発売日:2024年4月28日頃から順次全国の書店・ECストアで購入可能です
価格:2,600円(税別)
仕様:四六判変形、並製、304ページ
ISBN:978-4-9912211-4-9
詳細はこちら→ https://sowsweetpublishing.co.jp/work/1459/
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