なぜ今? 『スプリガン』から『ライジングインパクト』まで、令和に相次ぐ80年~90年代漫画のアニメ化

連載終了後20年以上一度も映像化されなかった作品も

 「待望のアニメ化」というと、『BANANA FISH』も外せない。原作漫画は1985年から1994年まで別冊少女コミックで連載されていた不朽の名作だが、少女漫画誌らしからぬハードボイルドなストーリーで当時から異彩を放っていた。誰もが振り返る美貌と天才的な頭脳を持ちながら、壮絶な生い立ちを持つ主人公・アッシュに心を奪われた少女は少なくないだろう。なぜこれまでアニメ化に至らなかったのかは定かではないが、連載終了から20年以上経った2018年にようやく映像化されたのは、原作のファンであるプロデューサーの熱意が実った結果らしい。

 アニメ化にあたって舞台を現代へ変更、原作にはないスマホが登場するなどアップデートされたが、この「現代への変更」が原作ファンの間で物議をかもす結果に。しかし、丁寧な作りにこだわったと制作側が言うように、切なくも美しい最終回には多くの賛辞が送られた。

 実際に放送されるまでは、どの作品も原作ファンからの“愛ある危惧”が囁かれている。しかし、蓋を開けてみれば色々な意見はありながらも、概ね成功と言えるだろう。時を経てのアニメ化はまさに“機が熟した”というものなのかもしれない。

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