【漫画】「蝉の鳴き声が聞こえない」という噂の山にある一軒家に入ると……大人気“禍話”が原作のSNS漫画が怖い

ダイレクトに恐ろしい怪談

――そもそも、『禍話』とは何ですか?

狐歪野:『禍話』とは猟奇ユニット・FEAR飯さんが毎週土曜日の23時からツイキャスやっている配信内で話している怪談です。こちらは商業以外の二次創作を認めています。これまでいくつかの禍話の漫画化したことがあり、原題『蝉の鳴かない山』もその一つです。

――今回なぜ禍話『蝉の鳴かない山』を漫画化したのでしょうか?

狐歪野:『蝉の鳴かない山』は禍話の中でも人気の1つです。この怪談は到底抗えない凄まじく強力な禍々しさがあります。私はオバケが出てこない不可解な不気味系の話がツボなのですが、ダイレクトに恐ろしいこの怪談を取り上げました。

――禍話では登場人物の性格やビジュアルにはあまり言及されていませんでした。登場人物はどのように作り上げましたか?

狐歪野:確かに原作のほうはあまりキャラの掘り下げはされていませんでした。キャラの行動や陥る結果を顧みてビジュアルなどをわかりやすく作りました。

禍話の魅力とは?

――禍話とは若干異なる箇所がありましたら、改めてどの辺りをアレンジしましたか?

狐歪野:わかりやすい箇所ですと、オチに一番怖い部分を持って来るように構成を変えました。後半でAとBが喫茶店でおち合い、Bの独白が始まりますが、原作では早々にCの結果をBがAに伝えます。そこをBの身に起こった恐ろしい怪異を語った後に畳み掛けるよう、Cの結果をAとBはその場で知る、という展開にしました。

――アレンジを加えると原作の良さを失うリスクも想定されますが。

狐歪野:「原作の良さを損なわないように」というのは常に考えていて、できるだけ淡々と進行するように心がけて作りました。

――おどろおどろしい作画がストーリーの気味悪さをより増幅させていましたね。

狐歪野:「絵が下手」というウィークポイントがあるので演出は常に意識しており、書き込みの量はできるだけ手を抜かないようにしています。

――ちなみに狐歪野さんが考える禍話の魅力は何ですか?

狐歪野:ダイレクトなオバケが出て来る話は稀で、日常のちょっとした違和感を切り取ったような不気味な話が多いです。そこが怖がりでホラー好きの私のハートを掴んで離さないポイントだと思っています。

――日常をベースにしているとより強い恐怖感を覚えそうですね。

狐歪野:はい。ただ、何といっても語り手・かぁなっきさんの軽妙な語りが魅力です。かぁなっきさんは何と、冗談や駄洒落を交えながら怪談を語ります。その唯一無二なスタイルに惹かれます。また、二次創作フリーという懐の深さも素敵です。これによって多くの人に禍話が広がり、小説や漫画、ドラマなど様々なメディア展開を見せています。

――今後の漫画家としての目標など最後にお願いします。

狐歪野:自分の漫画で商業展開することが目標です。そのためには、まだ今は認知度も技術もありません。本業の原作作業の傍らではありますが、より多くのホラー漫画を完成させてステータスの底上げをしていきたいです!ちなみに、禍話初の商業コミック単行本『禍話 SNSで伝播する令和怪談』(KADOKAWA)が9月4日に発売されます。私は携わってはいないのですが、禍話にハマるキッカケになれば嬉しいです!

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