業界随一の漫画好きOKAMOTO’S オカモトショウが語る“縦読み漫画=webtoon”の真価「懐疑的だったが、忖度なしに面白い!」

ーー縦スクロール漫画で、かつ異世界転生系に近い作品……ということで、これまでは避けがちだった作品なのに、かなりハマったと。

 音楽もそうですけど、自分の好みのジャンルのものが自分にとって面白いのは当たり前で、そこを超えて、普段は親しんでいないものなのに「面白い」と思わされるのって楽しいですよね。それだけに凄みを感じたし、もう友達にも勧めました(笑)。こういう作品に出会うと、一気に「webtoonって面白いんだ!」という感覚になりますね。

PTJ cartoon company(原作)、金正賢スタジオ(作画) https://lin.ee/pyMiAsl/pnjo

ーーその他の作品はどうですか?

 『喧嘩独学』https://lin.ee/pyMiAsl/pnjoはこれまでの漫画の歴史と、インフルエンサーのような新しいモチーフのハイブリッド感があって楽しいですね。日本の作品で例えるなら、『GTO』×『僕たちがやりました』的な楽しさがあるというか。『全知的な読者の視点から』もそうなんですけど、日本の漫画を思わせる要素がいろんなところに見られて、でも決して“パクリ”ではなく、きちんと独自のアイデアとして昇華されていると思うんです。本当によく勉強されているんだろうなと思ったし、日本の漫画へのリスペクトや愛情も感じられて嬉しかったですね。

『喧嘩独学』は、いじめられっ子の主人公が、「強い者に立ち向かう」というコンセプトの動画配信で成り上がっていく、という物語。実際に格闘技をやっている人が読めばツッコミどころもあると思うんですけど、主人公がちゃんと努力が必要な勝ち方をしているのがいいですよね。喧嘩の描写に作者の美学を感じました。

ーー『喧嘩独学』も『全知的な読者の視点から』もLINEマンガでしか読めない作品で、韓国作家が手掛ける人気作です。

 アメコミはまた別として、海外で生まれて日本向けにローカライズされた漫画をあまり読んだことがなかったので、「海外の人が日本の漫画を読むときの感覚」が初めて味わえました。言われてみれば、キャラクターのファッションが韓国的でカッコいいなと思うし、日本の漫画にハマったアメリカ人が「日本に行ってみたい」という理由がわかるというか、韓国に行ってみたくなりますね(笑)。まったく違和感なく読めるのだけれど、例えばコンビニの描写とか、食事のシーンとか、日本とは違う文化を感じられるのも面白い。『全知的な読者の視点から』に出てくる、まったく知らなかった韓国の偉人にも興味が湧いたり。「日本でいう織田信長かな」という感じで、ちゃんと引き込まれました。

■日本発の作品もディグっていきたい

ーー今後はこんなwebtoonが読んでみたい、という思いはありますか。

 日本でもスタジオが増えていたり、制作が進んでいるという話は聞いているので、今度は日本のwebtoonをディグリたいですね。日本で制作されたwebtoonから大ヒット作品がいくつも出てくれば、いまは敬遠している人も読むようになると思うし、もちろん新しい才能もたくさん出てくると思うんですけど、例えば『僕たちがやりました』や『ブルーロック』の金城宗幸さんとか、『嘘喰い』の迫稔雄さんとか、刺激的で仕掛けのある作品が持ち味の人気作家が参入したら面白いことになるだろうなぁ……と妄想していました(笑)。一話ごとの快感はもちろん必要だけれど、人の感情の動きがよりリアルに近いものというか、少年漫画というより青年漫画的な作品も読んでみたいですね。

 あとは、面白いwebtoonはフィジカルで(物理的に)手に入れたい、というのも少し思いました。縦スクロール漫画は紙の単行本にするのが難しいし、データ入りのUSBになるのか、縦長のペーパーになるのか、形はどうなるのかわかりませんが、ネットにアクセスできなくなっても「残る」ものがあってほしい。webtoon向けのタブレットもあっていいと思うし、流通についても、いろいろ進化していくといいですね。

ーー旧作から現行の人気作まで、本当に多くの漫画を日々読んでいるショウさんですが、今後はwebtoonも選択肢に入ってきそうですか?

 間違いなく入ってきますね。LINEマンガを眺めていると、国民的なヒット作からインディーズ作品まで、あらゆる作品が並んでいるのが面白くて。そのカオスのなかで勝っていく作品はやっぱり面白いと思いましたし、セールとか無料キャンペーンが多いので、漫画好きとしてはかなり便利で。気に入った作品の傾向からレコメンドされたwebtoonを読んでいくと思います。まだ知らない名作も多いと思うので、すごい作品に出合いたいですね。

ーー最後に、webtoonの認知度は近年で飛躍的に高まっていますが、ショウさんもそうだったように、まだ経験していない漫画好きの方も少なくないと思います。ひと足先に楽しみを見出した立場から、一言お願いします。

 どこが入り口になるかということだと思うんですけど、まずはこの記事を読んだことをきっかけにして、読んでみてもらいたいです。僕は編集者でも評論家でも何でもないのですが、シンプルにかなり漫画を読んできた人間ではあるので、その人間が唸らされた作品がある、ということを信用してもらえればいいなと。最初の数話は無料で読める作品ばかりなので、とにかく先入観は捨てて読んでみてください。経験者の立場から、「やられるよ」と言っておきますね(笑)。

魅力的なwebtoonがたくさん! LINEマンガをチェックしよう

 「LINEマンガ」https://manga.line.me/は、スマートフォンやタブレットで気軽にマンガ作品が楽しめる電子コミックサービス。グローバルでの月間利用者数8,900万、累計ダウンロード数2億超、ひと月の流通額が100億円を超える、同市場で圧倒的世界1位の規模を誇るプラットフォームサービスの連合体 “WEBTOON Worldwide Service”の一員として日本市場で展開している。
 2013年に国内でサービスを開始し、現在では国内マンガアプリ累計ダウンロード数で1位を記録するなど成長を続けている。また、本サービスでは112万点以上を配信。その中でもLINEマンガでしか読めないオリジナル作品や独占配信作品、先行配信作品を1,100タイトル以上取り揃えており、幅広い支持を獲得。スマートデバイスでの閲覧に適した、上から下に読み進める縦スクロール形式でカラーのデジタルコミック”webtoon(ウェブトゥーン)”の作品にも力を入れている。

※国内マンガアプリ累計ダウンロード数(2013年4月~2022年12月) / iOS & Google Play合計 / 出典:data.ai(App Annieより名称変更 )

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