【漫画】宇宙を漂流していた女性の正体に驚き! SNSで話題のSF×ボーイミーツガール漫画

――本作の着想はどのように?

ハミタ:SFチックな話は今まで描いたことがなかったので、やってみたかったという想いで作りました。それで反応がよくて、ありがたいですね。今まで宇宙船などの背景を描くのが大変そうで挑戦していなかったんですよ。でも最近3Dソフト「Unreal Engine」の宇宙船のデータを手に入れたので、それを使って近未来を舞台にした漫画を描きたいなと。それが制作のきっかけです。

――「Unreal Engine」について、もう少し詳しく教えてください。

ハミタ:もともとゲーム用の制作ソフトなんですよ。それをマンガに転用して使いました。ゲームはSFデータの宝庫ですから。この手法を取る作家さんは最近多いと思いますが、僕自身は全然ゲームをしません。以前『黒子のバスケ』の作画をしている藤巻忠俊さんがインタビューで「ゲームソフトで背景を描いている」と答えていたのもヒントになりました。

――物語の流れや展開などで参考にしたものなどはありました?

ハミタ:映画『猿の惑星』や『2001年宇宙の旅』など未知のものが地球だったり、実は知っているものだったりするSF作品って多いじゃないですか。今までラブコメを描いてきたので、まずはSFあるあるのどんでん返しネタをやろうと思ったんです。

SFは古いものから新しいものまで観たのですが、新しくなればなるほど頑張ってひねっている作品が多いのでパクるとバレるんですよ。だからジャンルが強く確立される前の作品から着想を得た方が応用しやすいですね。

――登場するヒロインもチャーミングでした。キャラクターデザインについて教えてください。

ハミタ:手クセで描くことが多いですね。意識したのはアホ毛を触覚ぽくしたり、目の辺りに並ぶホクロが幾何学模様ぽさで宇宙人ぽいニュアンスを出したことです。オチでは地球人だということがわかるので、地球人の要素を使って異星人ぽさを演出しました。

――いずれは商業誌での連載なども考えています?

ハミタ:Twitterで個人的に『誰が文か』というマンガを連載していて、それが完結してから出版社さんから「読み切りを描いてみないか」とお声がけいただいて、「ヤングマガジン新人賞」に出した『食人贖宥状』で準優秀新人賞をいただきました。そこから連載の話もしているので商業漫画も描ければと思います。でも今はSNSで稼げる時代なので、自由な個人活動も並行してやりたいです。

――ちなみに個人でどれくらい稼げるものなのでしょう。

ハミタ:僕はpixivFANBOXで漫画を無料にして、おまけで有料公開のイラストを付けてマネタイズしていますが、生活はしていける、まとまった額になりますよ。大きく当てるなら商業誌の力は強いですが、僕は個人で漫画を描けていれば幸せなタイプなんです。

――最後にハミタさんが考えるSFの魅力を教えてください。

ハミタ:作者にとって都合がいいところですね。読者から突っ込まれそうな展開でも「こういう世界観なんです」と説明してしまえば、何をやってもいい。やり方次第で可能性があると思うので、今後はシリーズものでSFを描いていきたいと考えています。

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