空気を読んでしまうあまり、本当の自分自身をさらけ出せない人は多いのではないか。確かに、自分を主張して摩擦を生むより、キャラを演じてやり過ごした方が楽な場面は多いかもしれないが、知らず知らずにストレスが溜まっていくこともある。6月25日にTwitter上で公開された創作漫画『坂夢の獏』（自分を偽って生きてきた少年が、夢の中で謎の少女と出会う話）は、本心を押し殺しながら生活する人に優しく寄り添い、一歩踏み出す勇気を与えてくれる作品だ。

　周囲の顔色ばかりを気にする男子学生・ソウタには、意識的に自分自身の夢の中に入れる、という特異体質の持ち主だ。夢の中であれば周囲に気を使うことなく自由気ままに過ごせるため、今日も居心地の良さを求めて夢の中に入っていると、そこには突如不思議な服装をした女の子の姿が。次々と謎が押し寄せるなか、ストーリーが進むにつれて物語は恐ろしい展開を迎える―――。

　作者の森本淳士さん（@ihsuta3）は漫画家のアシスタントを務めながら、連載を目指して漫画制作に取り組んでいるという。「描いている本人が感情を動かされない話では、読み手の感情を動かすことなんて不可能だ」と思いながら、自分自身とトコトン向き合って制作したという本作について、話を聞いた。（望月悠木）

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