漫画読者が1ページにかける時間は2秒? 元週刊少年誌連載作家が伝える、ビジネスにも通じる基礎知識

 元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏が運営するYouTubeチャンネルで「#39 一見上手な漫画もプロが見れば? アーティスティックな漫画の添削」と題した動画が公開された。

#39 一見上手な漫画もプロが見れば? アーティスティックな漫画の添削

 同チャンネルの動画の多くは、視聴者から寄せられた一見上手な漫画やイラストについて、プロの目線で細かく添削するというもの。解説のわかりやすさとともに、あくまで本人の長所を生かしアドバイスが心地よく、自分では絵を描かない人も楽しく視聴できるのも、大きな魅力だ。チャンネル登録者数は15万人を超える。

 今回、オリジナルの漫画を応募したのは、漫画家を目指しているクリエイターで、「コマ割りを教えてほしい」という八木千夜(ヤギ・センヤ)さん。ペガサスハイド氏は八木さんから送られてきた漫画を見て、まずはメインに据えられている女性キャラクターを指し、「綺麗に描かれています。これだけで目を引くものがありますよね」と絶賛。それから「全体的に熱いものを描きたかったというのは伝わってきました。漫画の基本的なものはぶち壊してパッションというものを表現したのはこの原稿の良いところですよね」と伝えた。

 その上で始めた添削作業。ペガサスハイド氏はまず自身でネームを描き、「この漫画は誰が何を喋っているのかわかりにくかったです。かっこよさは伝わってくるんだけど、ぱっと見て状況を理解できる人はいないと思う。読者は1ページあたり2秒程度しか時間をかけないから、瞬間的に何が起きているのかを、しっかりとわからせないといけないんだよね」と説明した。

 さらに、「漫画家というのは伝達能力が高くないと絶対になれないんです。頭の中に描いたストーリーを人に伝えるために、コマ割り・画力・構成力などが必要となってくる」と伝え、「これからは(1)誰が (2)どこで? (3)何を喋っているか?がぱっと見てわかることを意識してください」と、漫画を描く上での基本をわかりやすく解説している。

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