『ジョジョリオン』ラスボス・明負悟の不気味さーー第4部・吉良吉影との違いとは?
第24巻が発売され、いよいよ最終局面に入った『ジョジョリオン』(集英社)。月刊誌の『ウルトラジャンプ』で連載されている本作は、荒木飛呂彦が手掛ける長編漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(以下『ジョジョ』)の第8部(Part8)にあたる物語だ。
『ジョジョ』は、様々な時代を舞台に、ジョジョと呼ばれる青年が活躍する姿を描いた大河漫画。
大きな特徴は、第3部から登場する「スタンド」と呼ばれる可視化された超能力の存在。スタンドは、生物とも機械ともとれない奇妙な姿をしており、背後霊のように登場して人智を超えた特殊攻撃を仕掛けてくる。ジョジョたちスタンド使いは、まず敵のスタンド能力の正体を見極め、その弱点を突いて自身のスタンドで応戦するという、ミステリー要素の強い頭脳バトルの応酬が展開されていく。
今回の第8部は、第4部と同じ杜王町を舞台に2011年3月11日に起きた大震災によって発生した「壁の目」と呼ばれる謎の隆起物の下で、広瀬康穂が記憶喪失の少年を見つけ出したところから物語が始まる。
少年は東方家で引き取られ東方定助と名乗るようになる。触れたものから音、水分、摩擦といった「物理的な何か」を奪うシャボン玉を飛ばすスタンド「ソフト&ウエット」が目覚めた定助は、記憶を取り戻すために奔走する中で、自分たちを苦しめる「呪い」と直面することになる。
以下、ネタバレあり。
24巻では、第21巻の♯084から続く長編エピソード「ザ・ワンダー・オブ・ユー(君の奇跡の愛)」の12~15回が展開される。
病気を治す「新ロカカカの実」が実る枝を、東方家から奪った敵が、TG大学病院の救急車で逃げたことを知った定助は、豆銃礼と共にTG大学病院を訪れる。今まで襲ってきた敵・岩人間がTG大学病院に所属していたことを知った定助は、院長の明負悟が黒幕だと疑い追いかけるが、逆に明負の反撃に遭う。
明負のスタンドは「追跡」の意思のある対象に対して何かを「激突」させる能力。その「激突」してくるものは傘、車など様々で、後に「災厄」という言葉で表現される。定助たちは明負を追うのだが、「追跡」の意思を見せた瞬間、別のスタンドが背後に現れて攻撃。やがて定助は「空から振ってきた猛スピードの雨粒」に撃ち抜かれて、重体となってしまう。意識不明となった定助は救急車に搬送され、TG大学病院で治療を受けることになるのだが、これは定助が明負に近づくための作戦だった。
一方、東方家もまた、明負の攻撃を受けていた。その渦中で、東方家の長男である常敏が実は「新ロカカカの実」の枝を隠し持っていたことが明らかになる。常敏は、枝の秘密を知った父の憲助の命を奪い、息子のつるぎを助けるために「新ロカカカの実」を守ろうとする。しかし、明負の攻撃を受けた常敏も、血まみれになって倒れてしまう。