ユッコ・ミラー「何が出てくるのか自分でもわからない」 型破りなスタイルに集った仲間 デビュー10周年記念ライブを振り返る

 メジャーデビュー10周年を迎えたジャズサックス奏者 ユッコ・ミラー。7月24日、東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREでメジャーデビュー10周年記念ライブが開催された。その模様を収録した『YUCCO MILLER 10th Anniversary Live “Bloomin'”』は、彼女名義でリリースされる初の映像作品。バンドメンバーとの情熱的な演奏をじっくり堪能することができる。サックス奏者の小林香織、高校時代からのユッコ・ミラーの親友である演歌歌手の中西りえとのコラボレーションも大きな見どころだ。今作について彼女に語ってもらった。(田中大)

磐石の布陣で作り上げたメジャーデビュー10周年記念ライブ

――初めての映像作品なんですね。

ユッコ・ミラー(以下、ユッコ):そうなんですよ。客観的に映像で観て、「いいじゃん!」ってなりました(笑)。こうして作品になったのが嬉しいです。

――10周年ライブ、どのような公演になったと感じました?

ユッコ:当日はすごいドキドキだったんですけど、バンドのメンバーとゲストのおふたりが素晴らしくて。みなさんのおかげで最高のライブになったなあと感じています。

――トランペットとキーボードを同時に演奏する平手裕紀さん、映像で観ても驚かされます。

ユッコ:慌てることなく淡々と弾いて、吹いていらっしゃる姿を見ると、私も「どうなってるの?」と思います。ほんとにすごい人なんです。

――普段のライブの編成はカルテットですよね?

ユッコ:はい。このライブで久しぶりにギターの和泉さん(和泉聡志)と演奏して、「ギターが入るとさらに音が深まって、いい感じになるな」と思いました。サウンドが分厚くなって、すごく支えていただいている感覚があったんです。なので、このライブ以降にオファーをいただいたライブは、基本的には和泉さんが入った編成です。来年はほとんど5人編成で動くと思います。

――和泉さん、三味線も演奏していましたね。

ユッコ:事前にお願いはしていなかったんですけど、リハーサルのときに「三味線、ちょっとだったら弾けるから持ってきた」と。弾いていただいたらものすごくかっこよくて、本番でもお願いしました。ライブで弾くギターの種類についても、いろいろ考えてくださっていましたね。何種類もリハーサルに持ってきてくださったので。

――では、Blu-rayに収録されている1曲1曲を振り返っていきましょう。ライブの幕開けを飾ったのは「Stormy Night」。

ユッコ:ギターに関しては最初、エレキギターにしようか迷ったんです。「フラメンコのような感じで弾いてほしいです」とお願いして、試しにガットギターで弾いていただいたら、すごく良くて。曲調がガラッと変わったような感じがあって、サックスもすごく演奏しやすかったんです。今までになかった感じの「Stormy Night」になって嬉しかったです。

「Stormy Night」Official MV / ユッコ・ミラー

――メンバーのみなさんそれぞれのソロも情熱的で、「ミュージシャンってかっこいいなあ」と感じる演奏でした。この映像を観た中高生、ますますユッコさんに憧れちゃいますよ。

ユッコ:そうなんですかね(笑)? 吹奏楽をやっている子たちは、私のYouTubeとかを観てくれているみたいです。

――ゲストで出演してくださった小林香織さんは、ユッコさんにとって憧れの存在だったんじゃないですか?

ユッコ:ほんとにそうです。香織さんは私が高校生の頃から大活躍していらっしゃったので。「女性でこんなに活躍しているサックスプレイヤーってすごいな」と思ってました。

――YouTubeもまさにそうですけど、型にはまらずにいろいろなことに取り組むユッコさんの活動は、幅広い層に影響を与えていると思います。

ユッコ:私、やりたいと思ったらやらないと気が済まないタイプなので、いろいろやっちゃうんですよね。計画的には動いていなくて。何が出てくるのか自分でもわからないんです。

――「今後の活動のビジョンは?」と聞かれても答えようがないと常々言っていますよね。唯一、長期計画に組み込まれているのは『グラミー賞』でしたっけ?

ユッコ:はい。それしかないです(笑)。

――(笑)。いつも堂々としたパワフルな演奏ですが、ライブでは緊張するんですか?

ユッコ:自分のライブではあまり緊張しないんですけど、10周年ライブは“特別なライブ”という意識があったので、緊張……いや、緊張はあまりしてなかったです(笑)。いつもの感じだったと思います。

――10周年ライブではオリジナル曲がたくさん披露されましたが、独自の作風を切り拓いているのが示された機会でもあったと思います。たとえば「3-3-7」はリズムが独特で和メロ。「AKUJYO」も和メロでしたね。一彩さんの太鼓がものすごくはまっていました。

ユッコ:一彩さんとは去年久しぶりにお会いして以来、たまにライブで叩いていただいています。私はジャズをやってますけど、日本人なので和のテイストを入れたいというのがあって。日本の旋律を取り入れて作ったのが、ニューアルバムの『Bloomin'』に入ってる「3-3-7」と「AKUJYO」でした。「一彩さんの太鼓が必要」と思って、ライブでも演奏していただきました。

――一彩さんの隣でデニス・ルワブさんがドラムを叩いていましたが、やはり太鼓と較べるとフィーリングがかなり違いますね。

ユッコ:ドラムの方がエッジが利いていて、シャープなんです。太鼓はお腹に「ずーん!」と来る感じがあって、太い音色というか。ライブでのおふたりの掛け合い、めちゃくちゃかっこよかったです。リハーサルではさらっとしていたんですけど、本番ではバトルが炸裂して、「最高!」と思いました。

――「AKUJYO」で吹いたのは、ソプラノサックスでしたね。

ユッコ:はい。ソプラノが合う曲調ってあるんです。この曲も「ソプラノだな」と思いながら作ってました。

――「3-3-7」では三三七拍子を採り入れていますよね。

ユッコ:そういう曲を作りたいというのは、前からずっと言ってたんです。ライブでは、みなさんが楽しそうに演奏してくださって嬉しかったです。

――「Miracle Shine」「Anemone」「Snow Song」も『Bloomin’』の曲ですね。「Miracle Shine」は、スピード感のある展開が爽快でした。

ユッコ:アルバムはバラードが多くなりがちだったので、4つ打ちでかっこいい、パワフルでノれる曲を作りたかったんです。

――どのような曲調でも一貫しているのは、メロディアスさなのかなと。

ユッコ:もともとメロディアスな曲が好きなので、やはりそうなりますね。

Miracle Shine / ユッコ・ミラー(YUCCO MILLER 10th Anniversary Live “Bloomin' ”より)

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