サカグチアミ、改名から1年で見つけた“自分らしさ”の答え ミセス 大森元貴から受けた刺激、『who am i?』ができるまで
サカグチアミがメジャー3rdアルバム『who am i?』を10月7日にリリースした。改名&レーベル移籍発表から約1年、約6年半ぶりのオリジナルフルアルバムとなる同作は、タイトルで「私は誰?」と掲げている通り、“サカグチアミとは?”を模索し、改めて提示した作品になっている。
サカグチ曰く「もっと大衆に聴かれる存在になりたい」と思いながら制作を進め、その過程で“自分らしさ”を確信できたという。年齢を重ねる中での考え方、ミュージシャンとしての在り方……変化の中にあるサカグチアミの現在地をインタビューと作品を通して感じてもらいたい。(編集部)
改名して何が変わった?ーー「人間的にも強くなれてる」
――昨年10月24日の下北沢シャングリラ公演での改名&レーベル移籍発表からもうすぐ1年が経ちますね。“サカグチアミ”として精力的な活動をしてきた時間を振り返って、今どんな思いを抱いていますか?
サカグチアミ(以下、サカグチ):そっか、もう1年経つんや。あっという間ですね。改名後の活動は、ほんとにめっちゃ良くて(笑)。1年の間にEP2枚とアルバムをリリースし、たくさんの楽曲を世に出すことができたので、漢字の“坂口有望”だった頃がはるか昔のように感じるというか。「カタカナになってからすごくいいね」みたいな嬉しい声もたくさんいただけているし、新たに対バンが決まったりもしているし、活動10周年のタイミングで改革を起こしたことは間違ってなかったんだなって認識できた1年でしたね。
――ご自身から生まれてくる曲たちにも変化はありましたか?
サカグチ:曲を書いている感覚としては基本的に一緒なんですけど、どの曲を推そうとか、どの曲をアルバムに入れようとかっていうことに関しては、カタカナ“サカグチアミ”的な見え方を考えるようにはなりましたね。より芸術家目線で選べるようになった感じというか。「こっちの方が響きはいいんだろうけど、でもこっちの方がアーティストとして表現できてるな」みたいな部分を優先できるようになったので、曲を書く身としてはめちゃくちゃストレスがなくなりましたね。歌詞に関してはカッコつけず、より素直に表現できるようになった実感もあって。「裸(-Naked ver.-)」という曲なんかは、弱さを見せてもいいんだなと思えたから書けた曲だったりしますし。そういう意味では、サカグチアミに改名したことで、人間的にも強くなれてる気がします。
――改名後にリリースされたEP『名前』にはライフソングが、EP『Hush』にはラブソングがまとめられていました。その2つのテーマは今後の活動においても大きな2本柱になっていく感じなんですかね?
サカグチ:アルバムを完成させたことで、そこの感覚はけっこう変わったかもしれません。以前の私は、ラブソングとライフソングを自分の中でもはっきり分けて書いていたと思うんですよ。だからEPもテーマごとにリリースしたんです。でも、その2枚を出した後に、「アミちゃんの見てる世界、切り口がおもしろい」といった感想をいただいたことがあって。要はラブとかライフとか、カテゴリーはあまり関係なくみんな聴いてくれているんだなって思ったんです。もちろんね、ラブソングは自分として得意な分野だと思うし、改名後はライフソングを新たな真骨頂にしていきたい気持ちは変わらずあるんですけど、曲を書く段階ではそこまではっきりカテゴライズしないでもいいのかなっていう意識に今はなっていますね。
――アルバムを聴かせていただくと、「砂時計」のように“ラブ”と“ライフ”の両方が共存した曲があったりもしますもんね。
サカグチ:そうなんです! 自分でも混ざってきたなーと思います(笑)。だからこそ、ラブソングもライフソングも、あんまり気負わずに書けるようになってきたところがあるんだと思います。そこはすごくいい変化かも。
――改名後はワンマンライブ、全国ツアー、フェスやイベントへの出演など、ライブもたくさんやられてきましたね。ライブにおける変化も何かありますか?
サカグチ:改名後はバンドを主軸にライブをするようになったんですけど、そのことで改名する理由のひとつだったソロプロジェクト味を強くするという狙いが実現できている感覚がありますね。バンドメンバーのみんなもサカグチアミというプロジェクトを背負ってステージに立ってくれているし、それを私が真ん中で引っ張っていくこともできるようになってきているなって思います。例えば6月に出演させていただいた(Mrs.GREEN APPLE presents)『CEREMONY』は自分にとってはめちゃくちゃ大舞台で、初めて立つアリーナだったんですけど、バンドメンバーたちもみんな私と同じ覚悟を持ってステージに立ってくれた感じがして。すごく頼もしかったんですよね。
――ツアーを含め、たくさんのライブを共に重ねてきたからこそ、そういった連帯感が生まれているんでしょうね。
サカグチ:はい、ツアーでは機材車にみんな一緒に乗って移動してましたからね。何十時間も一緒に過ごしているのに、ずっと笑いが止まらないみたいな(笑)。本当に和気あいあいとした雰囲気で。そこで育んだ時間はライブでのパフォーマンスにも確実に反映されるし、お客さんにも絶対伝わりますからね。本当に楽しくライブできています。