なぜf5veはロンドンで爆発的人気を得た? 急遽会場を拡大したイギリス単独公演レポ&現地ファンインタビューで迫る熱狂
KAEDE、SAYAKA、RURI、MIYUU、RUIの5名からなる、東京発の異次元ドリームグループグループ・f5ve。彼女たちが9月27日、イギリス・ロンドンにて『f5ve: f4n m33t + special performance』を開催した。
同ファンミーティングは、f5veにとってイギリス国内での初単独公演に。コンセプトには「f5veとhi-5(f5veのファンの呼称)が夢の世界で初めて直接出会う特別な夜」を掲げ、これまで音楽やSNSを通して繋がってきた両者が同じ空間に集い、画面の向こう側にあった夢を現実のものに変えていく、といった軸をもってパフォーマンスが届けられた。
会場となったOuternet Liveはかつて、2024年10月開催の『PC Music PRESENT: POP CRYPT II: NIGHT』にて、彼女たちの楽曲を手掛けるA. G. Cookらとともに立った思い出のステージ。実は今回のイベント、発表当初に用意されていたのは約300名規模の会場だった。が、チケットが販売開始から約1分足らずで完売。多くのファンがウェイティングリストに殺到したことから急遽、収容人数約2,000名を誇るOuternet Liveに変更されたという経緯がある。とはいえ追加で発売された約1,700名分のチケットも、瞬く間に売り切れとなってしまったのだが。
そんな期待の一夜は、全体を通して“チル”の概念が入り込む余地がない、なんともエネルギーに満ちたものだった。彼女たちのファンは楽曲の“強さ”を求めてきていると噂には聞いていたものの、日本とは異なり、開演前の時点でSEがすでに本番さながらの爆音状態。多くのファンが音源に被せて歌い、大きく肩を揺らしている。この日の1曲目「Underground」に登場する〈ピカピカピカピカ チッカ地下(はい!)〉のようなコール&レスポンスがを交えながらも、ただ純粋に、この場所に“踊りに来ている”という印象だった。
そこから、かなりHIPHOPに寄せた未発表曲「2much」を初披露した後、全17曲にわたるセットリストのなかで特に踊らされたのが「Firetruck」「UFO」。メタリックなトラップサウンドが光る前者では、楽曲後半に“クラッシュ”に近い追い討ちパートが用意されており、誇張抜きでフロアのなかに踊っていない者がいなかった。
そして後者では、ロンドンを拠点とするDorian Electraがサプライズ登場。「UFO (Dorian Electra & Count Baldor Remix) 」を手がけた張本人であり、メンバーが楽曲を一度歌い終えたかと思えば、そこからビルドアップし、フックのテンポを上げたリミックスへと繋いでいく。ここでは自然発生的に、ファンが縦に突き上げるようなジャンプを始め、とにかく動きの大きい拍手を続ける。筆者はフロア後方から見ていて思わず、“これだけ反応があったらアーティストも楽しいだろうな”と思わされてしまったほど、正真正銘のダンスフロアがそこにはあった。
MCの観点でも、メンバーが英語を駆使し、軽い冗談以外でほとんど日本語を用いていなかったのにも驚かされた。なかでも冒頭の「Underground」「Magic Clock」を歌い終えてのMCでは、KAEDEが「You alright?(=調子どう?/“How are you?”と同じ要領で頻繁に交わされる挨拶)」「You look very peng.”(=とても魅力的に見えるよ/“peng”は“attractive”などと同義)」と、あるあるなUKスラングを用いて現地ファンをひと沸かせ。別パートのMCでも、「isn’t it?(=だよね?)」を略した「innit?」を使ってみたり、ぺりぺりチキン(PERi-PERi chicken)が有名な定番チェーン・Nando'sを訪れたことを明かしたりもしていた。
イベント後半に入ると、ローキーなボーカル運びが心地よい「Girlies」、楽曲MVに登場する扇子を特別パフォーマンスとして取り入れた「Sugar Free Venom feat.Kesha」などを立て続けにパフォーマンス。途中、日本国内アーティストの楽曲をいくつかカバーした後には、海外公演では初披露となる「Jump」にて、雰囲気をがらりと変えたシルキーな歌声を響かせる。演出面ではマイクスタンドを使い、東京タワーを模した映像を背に、手を伸ばして会場一体でワイパーをするなど、終盤に向けて一体感を育む時間となった。
最後は「Wish」「I Choose You」にて、約1時間のパフォーマンスを締めくくる。アンコールはなし。「See you very soon!」と、そう遠くない未来での再会を誓うのだった。