砂月凜々香「ずっとここに立ちたかったんです」 夢の舞台で流した涙 9年間の全てをぶつけたツアー最終公演

アソビシステム所属のシンガーソングライター・砂月凜々香が、大阪、福岡、東京の3都市をめぐるワンマンツアー『砂月凜々香 ONE-MAN LIVE tour「CROSSROADS」』を開催。9月22日には、東京・Shibuya WWWにて、ツアーファイナルを飾った。
2017年から地元・福岡を拠点にアーティスト活動を始めた砂月。2022年から約1年間は、アイドルグループ「IDOLATER」のメンバーとしても活動。2024年より、ソロシンガーとして正式にデビューし、7作のデジタルシングルを発表するなど新たなキャリアを重ねている。この9年間変わらないのは、そばにずっと音楽があったことだ――。
彼女にとって、『CROSSROADS』は初のワンマンツアーとなった。開演時間になり、バンドメンバーのアッパーなインストに誘われステージに姿を見せた彼女は、「『CROSSROADS』、盛り上がっていくぞ!」と吠えて、すぐさま「START DASH★」へ。疾走感あふれるロックナンバーが、砂月のギターとバンドが生み出すグルーヴによってどんどん熱を帯びていく。観客も、タオルを振り回したり腕を振ったりしたりして、会場全体の一体感を楽しんだ。MCでは、「大阪、福岡と駆け抜けて、いちばんプレッシャーだったのがShibuya WWWなんです。いちばん立ちたかった場所に立つことができて、感動しています」と、夢のひとつが叶ったことをファンに報告。すでに感極まった面持ちだった。


その後は、シングル曲を続けて披露。デビューシングルとなった「サイダー」は、ラスサビ前に「歌える?」と客席に呼びかけて一緒に歌唱。ペットボトルのサイダーを掲げる観客には、「いいね!」と無邪気な笑顔を見せた。また、「ポップコーンイマジネーション」は、ギターを下ろしマイク1本で歌唱。同曲で初挑戦となったラップパートを軽快に畳み掛け、「君依存症」では跪きながら熱唱し、歌詞に込めた“依存的な恋”をステージパフォーマンスでも見せ、圧倒した。
ライブ後半では、「披露していない曲をやります」とサラッと言い、ツアーファイナルで初披露となった新曲「残火」がスタート。何度だってこの世界に立ち向かってやる、生き抜いてやる。そんな思いが、バンドサウンドに乗ってバシバシと伝わるパワフルな楽曲で、観客が掲げた拳はひときわ力がこもっていたように見えた。そして「僕の生きかた」では、音楽の世界で生きていく苦しさや難しさをストレートな歌詞と情感豊かな歌声で切なく届けた。8月に26歳になった彼女。まだまだ若いが、音楽とともに生きてもう9年になる。うれしい思い出もたくさんあった一方で、現状に葛藤することも多かったのだと、なによりもこの曲が物語っている。



MCでは「コロナ禍も重なったりして、私のアーティスト人生は思ったようにはいきませんでした」とこの9年間を振り返った。「歌を辞めようかなとか、自分には才能がないんじゃないかと思うこともありました。でも、そんなときに優里さんが主催したオーディションでグランプリをいただいて、ひとつの楽曲を勝ち取りました」と、2024年にシンガーソングライター 優里のYouTubeチャンネルで行われたボーカルオーディション「天歌一武道会」について語り、グランプリ受賞特典で提供された楽曲「フタツナイアイ」を歌唱した。「この曲で、私の運命が変わりました」と、強調したうえで歌い始めたのが印象的。砂月の澄んだ歌声が、この曲によって浄化された当時の心を表しているようだった。彼女の音楽人生を追体験するようなひとときに、観客はしばし酔いしれる……。


しっとりとした空気が流れるラストスパート。「ここで、新曲やっちゃいまーす!」と陽気に宣言し、今回のツアーで解禁した「アイムハッピー」をパフォーマンス。観客に笑顔を向けて〈新しい明日〉へと踏み出すことを歌にして伝えた。サビでは、観客による歌唱パートも。10周年に向けたこれからの砂月凜々香には、ファンの存在が必要不可欠だとあらためて示すような1曲でもあった。そして、“回り道でもいいから一歩ずつ前へ”というポジティブなメッセージを込めた「Just take it slow tomorrow」で、自身にもエールを送って締め。アンコールでは再び「アイムハッピー」を届け、文字通り“ハッピー”にライブツアーを締めくくった。

アンコール時のMCでは、「ずっとここに立ちたかったんです、WWWに。9年かけて立ちました」とあらためて語り、思わず目をうるませた砂月。「泣かないって決めとったのに」と福岡弁ではにかみながら、「悔しい気持ちもめちゃくちゃあるけど、ここに立てていることは素晴らしいこと。自分を誇りに思います」とにっこり。さらに、「私は歌が大好き。絶対に、絶対に、もっと大きなステージに立ちます」と、次なる夢を熱く語り、観客の大きな拍手と声援を一身に浴びていた。
9月の東京は雨続きだが、この日だけは不思議なくらい晴れて心地良い陽気だった。まるで砂月の門出を祝っているよう……というとあまりにもベタだが、そう思わざるを得ないくらい、砂月の熱い願いが心に響くライブだった。

■公演情報
『-New Signals- vol.2』
日程:2026年12月11日(金)
会場:東京都 表参道GROUND
時間:開場 18:30 / 開演 19:00
出演:砂月凜々香 / シベリアンハスキー / and more...
チケットはこちら:https://livepocket.jp/e/3uhzg
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