【対談】モノブライト 桃野陽介×Have a Nice Day! 浅見北斗 “同世代感”の根源、今出会った運命を語り合う

5月末から始まったモノブライトの対バンツアー『SECOND PRIMAL』の中で最もファンにとってその接点が“謎”なのが、Have a Nice Day!なんじゃないだろうか。ネットの海に浮遊する桃野陽介と浅見北斗の接点は、互いに天邪鬼すぎるがゆえに去年ようやく映画『ハリー・ポッター』シリーズを鑑賞したこと。もちろんロック全般の知識に共振する部分もあるだろうが、さらにクローズアップすると見えてきたものがある。音楽はもちろん、歌詞に流れるイズムやモノブライトの新曲「たわむれ」に登場するあるフレーズからも会話が拡張。放っておくとどこまでも終わらなさそうだった初対談。ぜひ対バン前にご一読いただきたい。(石角友香)
モノブライトの“ロックンロールショー”、ハバナイの“パーティー”
――もうすっかり友達って感じで入ってこられましたが。
桃野陽介(以下、桃野):いやいや全然(笑)、まだ2回目なんで。
浅見北斗(以下、浅見):(笑)。
――どういうきっかけでおふたりは出会ったんですか。
桃野:共通の知り合いがHave a Nice Day!を聴いてるのを知って、曲を聴いてみたら、音楽から滲み出る“同世代感”があって。去年のLIQUIDROOMのライブを観に行ったんです。衝撃だったのが、「ビューティフルライフ」という曲の出だしからお客さんが湧いてて、「なんだ、このただならぬ雰囲気は!」って思いながら聴いていたら、歌詞も自分が言いたいことを代弁してくれてる部分があって。〈正しいだけじゃ 何も見えないわ〉っていう歌詞が、自分が考えていることにすごく響いたんですね。今回の対バンツアー『SECOND PRIMAL』は、同世代でお世話になった人と一緒にやりたいという主旨で開催しているんですけど、Have a Nice Day!とは新しいことを何か一緒にやりたいなと思い、オファーをしたという経緯です。
――「ただならぬ雰囲気」っていうのは、もっと言うとどんなものだったんですか?
桃野:今までモノブライトがやってきた“バンド”って、ロックバンドとしてライブをやる感じなんですよね。基本的にはライブショーというか、見せるものとしてライブを作っていく。だけど、ハバナイは完全にクラブ文化、パーティーやイベントの流れでライブを作っていくバンドだなと思ったので、その土台がまず違くて。観ていて僕が嬉しかったのは、ライブをやってる時にお客さんが自由に酒を取りに行くんですよ(笑)。
浅見:そうそう。別にタイミングとか関係なくね。
桃野:聴きたい曲じゃないから取りに行ってるとかじゃなくて、口ずさみながらバーカウンターにお酒を取りに行って、フロアに戻ってきて、また歌って。そういう自由な空間って、僕は子どもの時からなんとなく観てた『Woodstock』(『Woodstock Music and Art Festival』)の映像とか60年代のフェスのライブ空間に近いんじゃないかなと感じたんですよね。今まで“ショー”としてやってきたモノブライトのライブをちょっと崩せるヒントになるなと思って。
――浅見さんは桃野さんが興味を持ってライブにきてくれたことをどう感じました?
浅見:僕は、そもそもスタートがちょっと遅いというか、20代後半に音楽を始めて、30代に入ってからやっとバンドが形になってきた感じなんですよ。モノブライトみたいに“ショー”として見せる文化の中でやってきたわけじゃなくて、どちらかというと、それをいかに崩すかでやってきたところがあって。アンダーグラウンドの先輩方がやってたパーティーとライブが一体化したようなことを、自分たちもできたらいいなと思ってやっている。それが10年を超えた時に、これまで同じ場所にいなかった桃野くんが声をかけてきてくれたんですよね。自分たちの形がより明確になればなるほど、ほかの人とどう関わったらいいかがわかるようになったのが、このタイミングなんですよ。昔は対バンをやった時に、出演相手のお客さんがドン引く、みたいな感じだったし(笑)。

――喧嘩してやろうみたいな?
浅見:うん。今思うと人気のあるバンドに喧嘩腰になってしまう、あんまりよくない雰囲気が昔はあったんだけど、昨今は全然そんなことを思ってないし、なんだったらトータルで盛り上がればいいな、って。だから。モノブライトがこのタイミングで誘ってくれたんだと思っていて。
桃野:いいタイミングでしたね(笑)。
浅見:マジでありがとう(笑)。「このタイミングでよかった!」と思って。でも、根本的にみんな一緒だと思うんです。「楽しけりゃいいやん!」っていうところが最終的に着地点だし、我々は我々でそれは“パーティー”としてやってるし、モノブライトはモノブライトという形で“ロックンロールショー”としてやってるわけだし。別に、それは乖離してるわけじゃなくて、たまたまやり方が違って、そのうえで「観ている人たちが楽しけりゃいい」というのが共通する答えだと思ってますね。
――アウトプットが同じではないけれど、90年代だったりUKの音楽という共通点はあるのでは?
浅見:2000年代のいわゆるエレクトロクラッシュみたいなやつを、俺のまわりであんまり聴いてた人がいなくて。でも、モノブライトの音楽を聴くとThe Killersとか、あの時代をなんとなく感じるというか。
桃野:当時流行ったThe KillersとかFranz Ferdinandとか、あのへんのガレージロックですよね。僕がXTCにハマった時期に、ニューウェーブリバイバルやガレージロックがいっぱい出てきたんです。だから、そのあたりの話をしてたら、やっぱり同世代だから深く話せて。僕はそれこそ90年代の音楽が好きだから、New OrderとかUnderworldが好きだけど、ハバナイを最初に聴いた時に自分が触ってこなかった“聴くだけの音楽”だったものをちゃんと体現しているところがしっくりきました。そういう共通点はかぶっているんですよね。もちろんがっつりハマった音楽はふたりとも違うんですけどね。僕はグランジとかから始まってるから。
浅見:たぶんちょっと違うよね。Dinosaur Jr.とか、俺は全然知らんし(桃野がDinosaur Jr.のバンドTシャツを着用)。
桃野:僕はSonic YouthとかNirvanaが大好き(笑)。
浅見:New Orderも全然知らなくて。「君のやってる音楽はNew Orderに似てるね」って先輩に言われて聴いてみたけど、「ピンとこないな」と思ったくらい。それが昔は不思議だったりしたけど、最近になって聴くとめっちゃ好きだなって思ってるから、桃野くんや同じ世代の人が聴いてた音楽を、当時は実はよくわかってなかったんだと思う。
――New Orderの音楽そのものというより、ダークさがありながらポップな音楽性ということかもしれないですね。
桃野:結局のところ、そのポップさの部分をちゃんと押さえてるのは重要なんじゃないかなとは思います。




















