TMNETWORKにしか到達できない領域へ 小室哲哉が“最高傑作”と自負、アルバム『QUANTUM』を徹底レビュー

過去の名曲の再構築と、3人それぞれの色合い

 アルバムを構成するほかの楽曲群も、隙のない仕上がりを見せている。

 オープニングを飾った「RESISTANCE -2026 Version-」は、先述の通り、ライブのオープニング映像で流れていた箇所がイントロ部分として追加されており、シンプルかつ印象的で、繊細なメロディが最大限に生かされたアレンジに再構築されたもの。

 また、13分を超える大作「Major Turn-Round -2026 Version-」も、木根が今作で一番印象的だったと言うラップスチールの演奏が含まれた組曲。そして彼らの代名詞として誰もが知るアンセムの最新形「Get Wild Continual -2026 Version-」は、ライブの最終形態を落とし込んだバージョンとなっている。常に進化を止めないTMNETWORKを象徴する1曲だ。

 さらに本アルバムには、木根が作曲を担当し、ライブでもメインボーカル(TMNETWORKとして3曲目)を務めた「恋せよ乙女 -Run Through The Night-」も再構築され収録。小室が作詞を手掛け、宇都宮もコーラスで参加した本曲は、3人の温かみのあるオーガニックな質感が音からあふれてくるようだ。また、小室自身がメインボーカルを務めた「fate」は、ツアーが進むに連れて、楽曲がアップデートされていくという、曲作りの変遷を見せてくれた楽曲の完成形だ。過去に類を見ないアプローチで、毎会場、今日はどんな形になるのか? というFANKSたちの期待の眼差しを受け披露されていた曲が、小室の声とそれに重なる美しいハーモニーとピアノ、シンセが、祈りのような荘厳な世界観を創出した佳曲となった。

 そしてラストに配された「CUBE -2026 Version-」。ツアーでも同様にラストを飾っており、“I don’t care what’s going on”という歌詞の意味、CUBE=サイコロをイメージし、何が出るか分からないという、科学だけでは証明できないことを、今回の“Quantum”のテーマにも紐づけていた楽曲だ。ピアノとオルガンと声という、究極にシンプルな3人の“音”を中心に構成され、アルバムは静かに、しかし深い余韻を残して幕を閉じる。

TMNETWORKにしか到達できない領域

 ツアーで楽曲を先行披露し、後にリリースされるアルバムでその“答え”を提示する。変化の激しい現代の音楽シーンにおいて、これほど大胆なアイデアを思い付き、実行できるアーティストはほかにいるだろうか? 公開収録イベントでは、ツアーから制作におけるさまざまな苦労が語られたが、“最高傑作”と小室が自負する通り、本作はコンセプト、サウンドの完成度、ストーリー性のすべてにおいてTMNETWORKにしか到達できない領域へ達している。それは、彼らが常に最先端のポップミュージックを意識し、現在進行形でトライし続けていることの証明と言えるだろう。

■リリース情報
『QUANTUM』
発売中
【初回生産限定盤】(CD+QUANTUM CUBE×4+ステッカー封入)
品番:MHCL 31284~5/価格:¥6,930(税込)

【通常盤】(初回仕様限定盤/ステッカー封入)
品番:MHCL 31286/価格:¥4,180(税込)
詳細:https://www.110107.com/s/oto/page/TMNETWORK?ima=4157

LIVE Blu-ray『TMNETWORK TOUR 2026 QUANTUM LIVE Blu-ray』
発売中
品番:MTRES-B2602/価格:¥11,000(税込)

■関連リンク
公式サイト:https://fanksintelligence.com/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC6cJPKVcHh31efgzk4W2_EA
X:https://twitter.com/tmnetwork_2014

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