METALVERSEが始める新たな物語 受け継がれるトライアングルの美学、メタル×ポップのアンサンブル
2023年にマルチバース・プロジェクトとして始動したMETALVERSE。「マルチバース」と銘打っているとおり、メンバー構成やスタイルを変えながらさまざまなステージに“出現”してきた。そして、今年3月に新たに告知されたのが「METALVERSE VΛND PROJECT」。直後の『BABYMETAL WORLD TOUR 2026 IN JAPAN』でオープニングアクトを務めた際は、ASTERISM、KOIAI、TRiDENTといった実力派ガールズメタルバンドのメンバーをサポートに迎えてのパフォーマンスを繰り広げた。
ますます期待が高まる中、5月9日に待望の単独イベント『METALVERSE#3 – GARDEN OF EDEN』を開催。初の単独イベントがおこなわれた思い出の地であるSpotify O-EASTで、進化を見せつけた一夜のレポートをお届けする。
荘厳なBGMとともに開幕を告げるナレーションには、「変化していく」「新たな物語が始まる」というワードが並ぶ。ひとつのかたちにとらわれない世界で、次はどんな扉が開くのか。
満場のオーディエンスの大歓声で迎えられ、まずはバンドメンバーが姿を現した。この日のサポートバンド=MVP VΛNDのメンバーは、ギター・HAL-CA(ASTERISM)、ギター・Li-sa-X(KOIAI)、ベース・ユニカインパクト(革命メロイック/KOIAI)、ドラム・ふわわ(革命メロイック)の4人だ。さっそく4人がヘヴィなサウンドを解き放つと、ゆっくりとMIKO、SAKIA、COCONAが登場。「Welcome to the METALVERSE」の重厚なアンサンブルに合わせ、イメージカラーのクリスタルブルー×ブラックの衣装を翻しながら踊る3人に盛大な拍手が贈られる。7人が堂々並び立ったところで、ふわわのドラムから「Crazy J」へとなだれ込んだ。
歌謡曲調のメロディが印象的な「Crazy J」、ダンサブルなリズムにキュートな歌詞が映える「Si Si」、80’sテイストのダンスチューン「Qn」など、さまざまなジャンルを取り込みながら仕上げられた楽曲群はあくまでポップ。そのきらびやかなポップネスが、容赦ないヘヴィメタルサウンドと交わって起きる化学反応が実に刺激的だ。
メインボーカルのMIKOは、ノスタルジックなメロディからコケティッシュなムードまで表情豊かに歌い上げる。両サイドを支えるSAKIAとCOCONAも、息の合ったダンスだけでなく、笑顔やクールな目線を使い分けて世界観を構築していく。
センターのMIKOを中心に、SAKIAとCOCONAがシンメトリーダンスで魅せるーーBABYMETALが確立したトライアングルの美学をしっかり踏襲しながらも、METALVERSEならではの色が生まれているのを感じた。
それを後押しするのがMVP VΛNDだ。スキルはもちろん、ポップスもメタルも咀嚼している彼女たちのグルーヴが3人のダンスに寄り添い、時に牽引し、時に一歩引いて包み込むというバランスが絶妙。女性/男性で区別するつもりはまったくないが、やはり女性オンリーだからこその連帯感や信頼感も作用しているのだろう。3人+4人ではなく、3人×4人で高め合っていくのが「VΛND PROJECT」の醍醐味になっていく予感がした。
3人×4人のグルーヴを語るうえでは、疾走感溢れる「Get Down」や、ソリッドなエレクトロ×メタルに振り切った最新シングル曲「GIZA」などのパワフルなナンバーも欠かせない。後半に行くにつれてMIKOの歌声はのびやかになり、早口で畳みかける「OMIKUJI」や壮大なミドルチューン「Endless World」で、テクニカルかつエモーショナルな表現力を見せていた。
同時に「もっと声出せるよね!?」と笑顔で煽り、会場の熱もどんどん上昇。MVP VΛNDメンバーのソロ回しを挟んでの本編ラスト「Naked Princess」では、ステージ上の7人とオーディエンスが一体となって灼熱の空間を作り上げた。
ドラマチックな「KIRA☆」を経て、9月19日開催の単独イベント第4弾『METALVERSE #4 – RE:VERSE』が告知された。喜びの声に応えて再登場したMIKO、SAKIA、COCONAは、フリルを大きくあしらった華やかな新衣装を纏っている。さらに、「新曲いくよ!」とサプライズで新曲を初披露! アッパーな4つ打ちビートが夏にぴったりの1曲で、平成ポップスを思わせるキャッチーさが新しい。即効性を持ってフィナーレを盛り上げ、METALVERSEの次なる舞台への期待を高めた。
単独イベントの前、8月25日にはMORE STARをゲストに迎えた初の対バンイベント『VERSE BY VERSE #1』も発表されている。MIKOが最後に残した「夏にたくさんお会いしましょう!」という言葉も含めて、今後の展開に注目だ。