『徹子の部屋』はなぜ特別? MISAMO、Ado、JO1……意外な一面発見する黒柳徹子のトークの哲学

MISAMO、Ado、JO1出演回でも黒柳徹子節が炸裂

「私は子供のころ「聞きたがり屋の徹子ちゃん」と呼ばれていました。これは大人になってもあまり変わらないようです」(黒柳徹子著『徹子の部屋』(1985年/朝日文庫「まえがき」より)

 今や伝説となった、森繁久弥を迎えた『徹子の部屋』の初回放送(1976年2月1日)のオープニングでは「毎日、私のお目にかかりたい方に、この部屋においでいただいて、いろんな楽しいお話をうかがうという、私もとっても嬉しい番組です」と、「聞きたがり屋の徹子ちゃん」らしくワクワクが抑えきれないといった風に話し始めた。

 この「楽しいお話をうかがう」という姿勢は初回放送から一貫している。MISAMOの出演回では、TWICEの楽曲「TT」(2017年)のTTダンスの振付を披露したが、2024年2月6日放送の新しい学校のリーダーズの出演回でも、同グループの代名詞となった「オトナブルー」の首振りダンスにチャレンジして番組を盛り上げた。同年3月22日放送のJO1の出演回では、メンバーの佐藤景瑚の肉体美が話題となり、「佐藤さんは特に筋肉がすごいんだって? 見せて!」とド直球におねだり。佐藤の腕にタッチすると、同回に出演していた與那城奨、河野純喜も負けじと力こぶを披露。“筋肉祭り”となって視聴者の笑いを集めた。同年7月23日放送のAdoの出演回は、番組史上初となるAdoのリモート出演が話題となったが、なによりAdoのアドバイスのもと、黒柳が「うっせぇわ」(2020年)のサビを口ずさんだところがハイライトだった。

 熱心な“『徹子の部屋』ウォッチャー”である筆者も特にこの3つの放送回は印象的だった。なぜ心に残っているのか。それは興味を持ったら行動に移さずにはいられない、黒柳らしい個性が映っていたからだ。そして、初回放送のオープニングで話していた「楽しいお話をうかがう」ということにしっかり繋がっていると感じられたからでもある。

 筆者が『徹子の部屋』を好んで観ている理由は、そういうところだ。黒柳の著書『黒柳徹子の一生懸命対談』(1978年/新日本出版社)の「あとがき」で、黒柳は同書籍内の対談企画について「教訓めいた対談じゃなく、読んで頂いているうちに、そのかたの、ものの考えかた、とか、また、人間や、ものごとや、動物などに対する、そのかたの愛情が伝わる、そういう対談にしたい」とつづっていた。

 それは『徹子の部屋』の黒柳の“あり方”にも通じている。教訓めいていないのは当然のこと、決してなにかを誘導することもなく、フラットにゲストから話を引き出し、聞き、広げていく。大御所タレントが来たときも、新進気鋭のアーティストが訪れたときも、聞き手としてのスタイルは変わらない。ある意味、普遍的と言える黒柳の姿勢が『徹子の部屋』のおもしろさと魅力である。

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