Snow Man、King & Prince、Vaundy、ちゃんみな、XG、SEVENTEEN……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はSnow Man「One」、King & Prince「ボーイミーツガール」、Vaundy「風神」、ちゃんみな「FOREVER」、XG「IYKYK」、SEVENTEEN「LOVE, MONEY, FAME (feat. DJ Khaled)」の6作品をピックアップした。(編集部)

Snow Man「One」

Snow Man「One」Music Video

 TVアニメ『ブルーロック VS. U-20 JAPAN』(テレビ朝日系)エンディングテーマとなる新曲で、Snow Man楽曲のサブスク解禁はこれが初となる。Blue VintageのJUNが作詞を、クリエイターチームPURPLE NIGHTのSunnyとD&Hが作曲と編曲を担当。淡々としたピアノから始まるミドルバラードで、ベース、ドラム以外は控え目に入ってくるシンセサイザーのみ。盛り上げようと思えばいかにもドラマティックにできる曲ではあるが、このシンプルな展開で最後まで勝負するのはかなり潔い。そのぶんメンバー各人の歌唱にしっかりとフォーカスが当たり、声質の違いはもちろん、少しずつだが確かに高まっていくエモーションなども堪能できる。(石井)

King & Prince「ボーイミーツガール」

King & Prince「ボーイミーツガール」

 アルバム『Re:ERA』収録曲で、作詞を長屋晴子、作曲をpeppeと穴見真吾が担当。演奏も緑黄色社会なので、バンドとの全面コラボといった趣である。緑黄色社会らしい明るさと爽やかさを備えたポップスなのだが、それが長屋の声ではないというだけで印象がずいぶん変わる。「私」と「僕」で主語を使い分け、時には「なのさ」「だよな」など男性っぽい終助詞を差し込むことで強く突き抜ける歌詞にするのが彼女の特徴だが、King & Princeの2人が歌うと、それが少しの甘さや苦笑してしまう情けなさ、みたいなニュアンスになるのが面白い。〈僕の負けさ 君に勝てない〉の歌唱に漂う愛しさは、緑黄色社会×King & Princeだから生まれたものだ。(石井)

Vaundy「風神」

Vaundy「風神」

 心地よくグルーヴするベース&ドラム、繊細なファルセットと〈誰よりも/「救いたい」と悲劇を気取ってた〉というフレーズが耳に飛び込んできた瞬間、身体と思考を揺さぶられるような感覚に包まれる。ドラマ『ライオンの隠れ家』(TBS系)主題歌として制作された新曲「風神」は、ファンクテイストのミディアムチューン。音数を抑えながら、ストリングス系の音、パーカッシブなギミックをちりばめたサウンドデザインは流石の一言。誰かを想うたびに、その人が持っている風が舞い、擦り傷を作ってしまう。しかし、同時にその傷は人間らしい温かさをまとっている――という奥深いリリックもこの曲の奥深さを担保していると思う。ドラマのオープニング映像もVaundyが手がけるなど、多角的なコラボレーションが実現。(森)

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