BUDDiiS、『UtopiiA』から始まる新たな青春 「愛を感じながら愛を返せた4年間」――軌跡と未来を語り尽くす
9月6日、7日に自身最大規模となる日本武道館公演『BUDDiiS vol.08 Nippon Budokan - UtopiiA -』を成功させた10人組ダンスボーカルグループ・BUDDiiS。大盛況で幕を下ろした日本武道館公演だったが、12月29日にはさいたまスーパーアリーナにて最大規模を更新する公演『BUDDiiS vol.09 - MiiRAI -』が開催されることも発表された。さらに、9月18日には武道館公演で披露された楽曲が詰まった1stミニアルバム『UtopiiA』をリリース。まさに乗りに乗っている彼らは今どんなことを考えているのだろうか。『UtopiiA』について、そしてこれからについて、FUMINORI、MORRIE、YUMA、HARUKI、FUMIYA、SHOOTに話を聞いた。(高橋梓)
初めての日本武道館公演で見えた景色と次のステージ
ーーまずは日本武道館公演、お疲れさまでした。振り返ってみていかがですか?
FUMINORI:僕は当日まで日本武道館公演ができる実感が湧いていなかったんですが、会場入りした時のスタッフさんの多さと雰囲気を見て、一気に実感が湧いてきました。自分たちはすごいところでライブをするんだな、と。それにファンの方の熱量がすごくて、バディ(ファンの呼称)の愛をたくさん感じられた2日間だったというのが率直な感想です。「バディたちが幸せだったらもうなんでもいいや」と思うくらい、バディがすべてだなと思った日本武道館公演でした。
FUMIYA:ペンライトの景色もすごかったですよね。初めて制御式ペンライトを使ったので、音や照明とペンライトの光がリンクして見えるという経験をしたことがなかったこともあって、ステージから見えた景色がすごく印象に残っています。
ーーMCでもペンライトを使ったウェーブを巻き起こしていましたもんね。
FUMIYA:そうなんです、ウェーブもやってみたくて(笑)。みんながちょっと慣れていない感じもよかったですよね。
SHOOT:これまでの(ワンマンライブの)なかでも一番規模が大きい会場だったので、アーティストとしての自覚もより芽生えました。活動初期から徐々にファンの方が増えていったことを目で見て実感できたライブでしたね。ここまで大きくなれたんだなと思えましたし、気持ちよくパフォーマンスができました。
HARUKI:演出や表現の幅、歌やダンスなど、これまでのライブでやったことを応用できたと思います。曲も増えたのでアレンジをしつつ、BUDDiiSらしさを残した表現ができたのかなって。結成5年目に入りますが、ここまでの集大成を見せられたと思います。
ーーダンサー陣のソロダンスコーナーも初めてでしたよね。
FUMINORI:“アーティスト・BUDDiiS”を見せようという話をしていて、チャレンジもしてみました。
YUMA:僕はそのソロダンスが印象に残っています。あのキャパシティの会場で30秒くらいひとりずつ踊るというのがすごく気持ちよかったです。僕のダンスは、ダンサーのKAITAくんが一緒に考えてくれたのですが、激しい踊りでめちゃくちゃ大変でした。
FUMIYA:でも、かっこよかったじゃん。フード被って天才ダンサーみたいな。
YUMA:うん(笑)。でも、激しくて。しかも、そのあとに「LOUD」が続くので、「きっつー!」と思いながら踊っていました。
MORRIE:楽屋での様子もちょっといつもとは違ってたよね。僕は緊張しないタイプなのですが、ほかのみんなは本番が近づいてくるとソワソワしたり、楽屋を行ったり来たりしていたり。ふみ(FUMINORI)とか、ありんこみたいだった(笑)。ついさっきまで楽屋にいたと思ったら、いつのまにかいなくなっていたり。
FUMIYA:そうそう! 「何しているんだろう?」っていうくらい行ったり来たりしていて、同じところにいないんですよ。楽屋に入ってきたかと思ったら、水を手に取ってまた出て行って、ちょっとしたら帰ってきて、また何か持って出て行って……みたいな(笑)。
FUMINORI:いやあ、緊張してましたね(笑)。
情熱、応援歌、“らしさ”……『UtopiiA』は未来へ向かうための作品に
ーー9月18日にリリースされた『UtopiiA』は、皆さんにとってどんな意味を持つ作品になりそうですか。
FUMINORI:5曲収録されていますが、各ジャンルの理想郷が表現できていると思います。たとえば、表題曲の「Ütopia」だったら“幸せ”や“ポジティブさ”、「HONEY」だったら“情熱”、「JUBiiLEE」だったら“ファンタジー”……そういったいろいろな顔を持つBUDDiiSが見える、たくさんのジャンルの音楽が混ざったミニアルバムになっています。ミニアルバムなのに普通のアルバムくらいの内容で、サッカーで言うとエースストライカーが集まった代表戦ですね。
FUMIYA:ふみくんが言ってくれたように、各曲ごとに「BUDDiiSのこういうところを見せたい」が表れています。それに、年末にはさいたまスーパーアリーナでの公演が決まっているので、そこにかかる橋になり得るミニアルバムというか。聴いてくれた人も、この先のBUDDiiSが楽しみになる要素になっているのかなと思います。
ーー各曲ごとにどんなBUDDiiSが表現されているのか、お聞きしてもいいですか?
FUMINORI:まず、「Ütopia」。「Brightness」(アルバム『BRiLLiANT』収録/2023年)という曲をきっかけに、「メッセージ性の強い歌詞はやっぱりすごくいいよね」という話をしていて。「Ütopia」では「バディがいてくれたら強くなれる」「バディといたら毎日がスペシャル」というメッセージを込めました。僕たちが伝えたいことが「Ütopia」では表現されています。
ーーなるほど。それをリード曲にした背景や思いはどんなものだったのでしょうか。
FUMIYA:BUDDiiSの10人が巡り会って集まったこと、ファンの方が僕らを見つけてくれたこと自体が奇跡――だからこそ、ファンの方への感謝や出会いにフォーカスを当てたこの曲をリード曲にしました。それに、この作品は始まりとこの先の未来に向けてという意味があるので、僕らが理想とする場所に向かう始まりとして一番ふさわしい曲なのかな、と。
MORRIE:その次の「HONEY」は、ちょっとダークで情熱的で、大人なBUDDiiSが表現できていると思います。これまで、僕らはかわいらしい曲が多かったんですね。「Koi to me」もセクシー系ではあるけれど、「HONEY」はさらにもうひとつスパイスを加えたようなイメージ。しかも、パフォーマンス力が高まってきている今だからこそできたのかな、とも思っていて。実際パフォーマンスをしてみてすごくいいなと思ったので、これからもこういった曲を増やしていきたいですね。
――次の「Instinctive Love」はいかがですか?
YUMA:……(ストローをくわえる)。
MORRIE:喋る気なさすぎやろ!
FUMINORI:たぶん、YUMAは「JUBiiLEE」あたりを喋りたいんだと思います(笑)。
SHOOT:(笑)。「HONEY」と若干近いテイストの「Instinctive Love」では、新しい挑戦ができていると思います。“ありのままの愛”というものをダイレクトに感じられて、かつセクシーで、「HONEY」とはまた違った大人っぽいBUDDiiSが見せられるのかな、と。もちろんアルバムを聴いて耳でも楽しめますが、ぜひライブで観てほしい曲です。BUDDiiSの男らしさや色気を感じられると思います。
YUMA:「JUBiiLEE」は――。
全員:あはははははは!
FUMINORI:はや!
FUMIYA:出たわ〜。
YUMA:(笑)。「JUBiiLEE」は、BUDDiiSらしさが前面に出ている楽曲です。かわいらしさやフレッシュさ、元気な部分が出ていて、素のままでパフォーマンスできるんですよね。初めてパフォーマンスした時は、バディからも「BUDDiiSの良さが出ている」というメッセージをたくさんもらいました。振り付けもFUMIYAとふみくんがやってくれていますし、楽曲もKEVINくんが作ってくれていますし、BUDDiiSらしさが詰まっていると思います。
HARUKI:最後の「LOUD」は、背中を押すような応援歌。BUDDiiSの良さのひとつでもある“励まし力”みたいなものが、しっかり表現できていると思います。僕らのパフォーマンスを見て一緒に歌ったり、聴いたりすると明るい気持ちになれるんじゃないかなって。
ーーちなみに、リード曲「Ütopia」はMVも撮影されていますが、見どころを教えてください。
MORRIE:僕、ここ2、3年くらいMVでずっと短髪だったんですよ。でも、今回は王道のミディアムで衣装も王子さま系。一番ウケのいい状態で撮影できました!
FUMINORI:ウケのいい状態って(笑)。
MORRIE:でも、本当にこの状態が嫌いだって人はいないと思います(笑)。BUDDiiSのMORRIEとして観た時に、自分でも新鮮でしたもん。バディのみんなも「おお!」ってなるはずです。
SHOOT:僕は免許を持っていないのですが、MVのなかではハンドルを握っています。普段できないことなので、ハラハラしながらあんまりスピードを出さないように走りました。
FUMINORI:走ってはないけどな、握ってるだけな。
SHOOT:はい(笑)。MVの構成的に、メンバーがそれぞれ理想郷を作り上げていくような感じ。僕はSEIYAと一緒に車に乗ってユートピアを目指しています。