2023年12月末から、4人体制で活動を新たにスタートさせたA.B.C-Z。今年4月11日にはグループの公式YouTubeチャンネルを開設し、5月1日からは2022年にリリースしたベストアルバム『BEST OF A.B.C-Z』のサブスクリプションを解禁した。

　音楽活動も精力的に展開しており、6月5日には14thシングル『君じゃなきゃだめなんだ』をCD3形態およびグループ初の配信シングルとしてリリース。さらに、8月21日には8thアルバム『F.O.R-変わりゆく時代の中で、輝く君と踊りたい。』を発売し、新生A.B.C-Zの大人の魅力を広く知らしめた。

　台風の影響を受けて一部日程が変更されたが、9月11日からは同アルバムを携えたツアー『A.B.C-Z Concert Tour 2024 F.O.R』が開催される。デビューから12年が経過し、ベテランの域に突入しているA.B.C-Z。そんな中、新たな才能で注目を集めているのが五関晃一だ。

　五関といえば、その抜きん出た身体能力と類稀なダンスの実力でグループを支えてきた縁の下の力持ちである。グループ最年長ということもあり、真面目で実直な印象を持たれることも少なくない五関だが、今SNSを通して彼の素顔が面白いと話題になっているのだ。

　グループ公式YouTubeに投稿されたショート動画「世界記録に挑戦！①」では、決められた型にカップを積み重ねてそのスピードを競うスポーツスタッキングに五関が挑戦。本人は至って真剣な様子だが、カップは積み重なる気配を全く見せることなく見事にすべて画面外へ吹き飛んでいく。ハチャメチャでありながら最後の最後までタイムにこだわり、本気で悔しがる五関の姿にスタッフも笑いを隠せていない。

　「五関晃一からの宿題」と題して公開されたショート動画は、最新アルバム収録曲「宇宙旅行」の振り付けを五関がファンに向けてレクチャーするという内容だ。この動画内で、五関はツアーグッズとして発売されるペンライトを持っているのだが、映像公開時はグッズの情報が解禁される前ということもあり、一部モザイク処理が施されていた。しかし、ペンライトに合わせることなく画面上から全く動く気配のないモザイクと、それを気にすることなく可愛らしい振り付けを踊る五関のギャップが実にシュールで面白い。

　質問を通してお題を当てる「アキネーター」に五関が挑戦した動画では、冒頭で真面目に予想しているかと思わせ、最終的に答え自体を認めないという新しい手法に出た五関。曇りのない眼や自信にみなぎった声が妙な中毒性を生んでいる。

　これらの動画はどれも高い再生数を記録しており、A.B.C-Zのファン以外からも注目を集めることとなった。五関の独特の面白さが再発見されただけでも、A.B.C-Zのショート動画参入は大成功と言っていいだろう。

　図らずもバラエティ面で注目を集めた五関だが、彼の最大の武器はなんと言ってもその高いダンス力だ。8月27日に公開された「Jigsaw」のMVに続いて、9月1日にはメイキングのソロ動画がアップされた。クールかつシュールな振り付けが話題の同楽曲において、五関の鍛え抜かれた体幹やアイソレーションの美しさに賞賛の声が集まっている。五関のダンスは圧倒的かつ正統派でありながら、見れば見るほど癖になる独自の魅力も持っているのだ。

　意外にも、事務所に入所するまではダンス未経験だったという五関。しかし、持ち前のセンスと胆力でひたすら練習し続け、事務所内でも厳しいと有名な振付家を黙らせてきたという実力派だ。

　五関の軽やかなダンスは見る者に難しさを感じさせず、プロや経験者の間でも評価が高い。ダンスに対する情熱はパフォーマンスのみに留まらず、A.B.C-Zの振り付け担当としても活躍中の五関。デビュー曲「Za ABC〜5stars〜」をはじめとするシングル／アルバム曲の振り付けを10曲ほど務めてきた他、自分たちのコンサートやA.B.C-Zが座長を務める舞台『ABC座』の振り付けも担当し、ダンスの要を担ってきた。

　五関の振り付けには、洗練されたシンプルさと楽曲の個性を引き出す細やかな振りが共存している。さらに言えば、キャッチーな音ハメ、表情が見えやすい構成など、どの楽曲においてもその人が“アイドル”としての魅力が存分に発揮できるよう配慮されているのだ。