ネットカルチャーの最先端を生み出す、次世代のアーティストとクリエーターが多数所属するクリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」によるリアル会場ライブシリーズ『KAMITSUBAKI WARS 2024』の第二弾『KAMITSUBAKI WARS 2024 神椿横浜戦線 IN パシフィコ横浜』が、8月7日、8日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで開催。ヰ世界情緒の3rd ONE-MAN LIVE『Anima III』が行われたDAY-1に続き、DAY-2は同レーベル所属のアーティストが一堂に会する『KAMITSUBAKI FES ’24』が開催された。

　DJど～ぱみんによるDJ Timeでノリノリになった会場。まずは梓川が登場し、「会いたかったぞ！　今日は盛り上がって行こうぜ！」とコメントし、「今さらサレンダー」「ノルカ／／ソルカ」を熱唱し、会場には赤いペンライトの光が揺れた。続いて、つば広ハットがトレードマークの跳亜（とびあ）が登場し、4曲目のオリジナル曲「凍結」にクラップが広がる。ソリッドなロックチューン「黎明」で登場した詩道（しどう）は力強く観客を煽り、会場から「ハイ！　ハイ！」とかけ声がかかった。コンポーザー・雄之助とシンガー・WaMiによる新世代音楽ユニットAwairoは、空気成分多めの儚げな歌声と跳ねたシンセサウンドが絶妙に融合した「Pale&Deep」と「烙印」で会場を盛り上げたほか、梓川とのコラボで「Replay feat.梓川」をプレイ。トリッキーなサウンドに乗せてデュエットを披露し、絶妙なハーモニーに会場が沸いた。リミックスされたKAMITSUBAKIナンバーをVJと共に展開する「KAMITSUBAKI DISCOTHEQUE」を挟み、第1部のラストを務めたのは、コンポーザー／プロデューサーのNeuronとシンガーkahocaによるユニットのEmpty old City。エレクトロサウンドと幻想的な物語が融合した「カミツレと愛のブーケ」、アッパーのEDMナンバー「Buffer」で、2人が生み出す鮮烈な世界へと会場を引き込んだ。

　第2部は雄之助のDJ Timeでスタート。続けて音声合成ソフトによる史上初のグループ“音楽的同位体 V.I.P”が登場し、「フォニイ」「機械の声」を披露。音声合成ソフトであることを忘れさせる、エモーショナルな歌声に会場が聴き入った。令和発のシンガーソングライター水野あつは「知りたい」を披露し、優しくポップな世界観に手拍子が広がる。その水野とSoodaによる2人組シンガーソングライターユニット“雨宿り”は、ポップで疾走感あふれる「スターダスト」と恋する気持ちを独自の視点で歌った「猫かぶり」を披露。Soodaは「今日は皆さんにお会いできることを楽しみにしていました」とコメントし、はにかんだ笑顔を見せた。また、インディーゲーム×音楽のニュープロジェクト“ANMC”（アノマチ）は、都会の夜をイメージさせるバラード「月の匂い feat.WaMi」、前日にリリースされた第一弾シングルで軽快なビートの楽曲「Sad Sad Hot Latte feat.むﾄ」で、会場を独自の世界に引き込んだ。そして第2部のラストには、独自の中毒性で楽曲提供も行う獅子志司（しししし）が登場し、プロジェクトセカイ “Vivid BAD SQUAD”へ楽曲書き下ろしをした「虚ろを扇ぐ」、代表楽曲「絶え間なく藍色」といった、獅子志司屈指の人気楽曲で会場を沸かせ、最後に「神下り」をV.I.Pの“可不”と、生歌×CeVIO AIのデュエットで披露。〈ナーナナ〉と歌う合唱が会場に広がり、パシフィコ横浜が一つになった。

　「KAMITSUBAKI DISCOTHEQUE」でスタートした第3部は、人気のバーチャルアーティストが多数登場した。まずは今年始動した新プロジェクト「少女革命計画」から、氷夏至（ひなげし）、美古途（みこと）、夕凪機（ゆうなぎ）の3人組バーチャルシンガーユニット“罪十罰”（つみとばつ）と、御莉姫（おりひめ）、佳鏡院（かきょういん）、硝子宮（がらすみや）の3人組Xtuberユニット“心世紀”（しんせいき）の2ユニットがライブデビューを果たした。罪十罰は、8月14日にリリースされたデビュー曲「弔花」を披露。アッパーのEDMナンバーである同曲を、異なる個性を持った歌声でエモーショナルに歌いつなぎ、2番では順にソロダンスを披露するなどのパフォーマンスでも会場を沸かせた。リアルとバーチャルで活動する心世紀は、8月9日にリリースしたデビュー曲「フェイクナイト・シンデレラ」で、フィジカルの姿でステージに登場して会場が大歓声に沸いた。スリリングなバンドサウンドに乗せて、圧倒的なハイトーンとファルセット、疾走感あふれるラップを繰り出した3人。観客はペンライトを振りながらステージに声援を送り、3人は曲の終わりに「どうもありがとうございました」と声援に応えた。

　アバター（バーチャル）とオリジン（リアル）の両方で活動する“VALIS”は、体調不良のMYUを除いたCHINO、NEFFY、RARA、VITTEの4人がアバターでパフォーマンス。重低音のビートに乗せてキュート＆クールなダンスとラップを繰り広げる「熱愛フローズン」で観客のハートをつかむと、「皆さんこんばんは、VALISです。パシフィコ横浜！　まだまだ行けるか！」とコメント。「みんなのコールでたくさん盛り上げて。それじゃあ準備はいい？　行くよ！」と声をかけ、「乙女的サイコパシー」を繰り出すと、会場からも大きなかけ声が上がる。中毒性たっぷりのメロディとサウンドに乗せて、華のあるダンスを展開して観客を魅了した。

　次に、昨年の『KAMITSUBAKI FES』にはアメリカ留学で参加できなかった理芽が登場。サビの前に「ジャンプ、ジャンプ」と声をかけて、観客とジャンプしながら歌った「フロム天国」。YouTubeで4700万回を超える代表曲「食虫植物」では、「みんなも一緒に歌ってください！」とコメントし、手を左右に揺らす動きを観客と楽しんだ。

　バーチャルラップシンガーの春猿火は、壮大なバラードの「巫女」で、儚いウィスパーを聴かせた他、泣き叫ぶような情感たっぷりのラップで観客を圧倒。一転、ハリウッド映画のサウンドトラックのようなスケール感を持った「META」では、「パシフィコ、声出せますか！」と観客をけしかけ、楽曲後半にはテクニカルな高速ラップで会場を沸かせるなど、その比類無き歌唱力の高さを誇示した。