これまでのツアーの模様やバックステージのオフショットがダイジェスト的にまとめられた映像がエンドロールと共に流れた。映像が終わると大きな拍手が起こり、間髪入れずにサンドリオンコールが沸き起こる。そんな熱烈なアンコールに応え4人が再登場。クリスマスイブらしく、「illuminations」を披露した。黒のライブTシャツに白い付け襟を合わせ、クラシカルな雰囲気の衣装もまたクリスマスムードの一端を担っているようだ。

　途中、ステージ上のクリスマスツリーに飾られたプレゼントバッグを手に取り、曲の終わりには「メリークリスマス！」の声と共に客席に投げ入れる心憎いファンサービスもあり、大盛り上がりのまま「星のLarme」へ。「今日は本当にありがとう！」「今日のことは絶対絶対忘れないよ！」と語りかけるシーンもあり、感動を隠し切れない笑顔のパフォーマンスが心を揺さぶる。澄んだ高音が行き交うボーカルワークも秀逸だ。

　この日最後のMCでは、ツアーファイナルに際し一人ひとりが初めてのツアーの感想とファンへの感謝を告げる。

「初めてのツアー、東京大阪名古屋と3カ所回らせていただけたのも、こうやって足を運んでくださるみんなのおかげだと心から思っております。今日は今年のライブ納めになったんですけど、余ってる力を全部出しきりました！　受け取ってくれましたか？　また来年も楽しいことたくさん計画してますので、2024年もサンドリオンについてきてください！」（小山）

「今年はいろんなことをしたからこそ、もっともっとって欲張りな心が出てきたんです。2023年、とってもいいライブ納めだったんですけど、来年はこれを超えるくらいいい一年になったらいいなって思ってるので、ぜひ来年もしっかりついてきてほしいと思います！」（黒木）

「ツアーを回って回を重ねるごとにみんなにパワーをもらってそれを発揮できてると思うんですけど、さらに今ここでみんなからもらったパワーも出し切れたんじゃないかなと思います。みんながいてくれてるからこういう景色が見られるわけですし、私たちはみんなのことをずっとずっと大事にしていきたいなって、あらためて思うライブだったなと思います」（汐入）

「（初めてのツアー、東名阪と回って）3回もワンマンライブができるんだ、と思うとすごく贅沢。でもやっぱり夢は大きく持ちたいなって思うから、今後は東名阪にプラスしていろんなところに行けたら。イベントやフェスにたくさん出させていただいたんですけど、もっとたくさんの方にもサンドリオンを知ってもらって、ここにいるドリオンズにももっと私たちを好きになってもらえるようにがんばっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします！」（小峯）

　またこの日は、来年3月30日開催のイベント『Lemino presents ANIMAX MUSIX 2024 SPRING』への出演、来年3月17日の7周年ライブ開催、今年3月に行われたライブ『サンドリオン 6th Anniversary Live～MUCHU×4～』のBlu-ray発売と、嬉しい告知も盛りだくさん。そして、2024年4月放送開始予定の『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』のエンディングテーマを担当し、「Sunny Canvas」というタイトルで来年春リリースとなることが発表されると、客席からは一段と大きな歓声と拍手が送られた。

　今回のツアーのラストナンバーは、「がむしゃらリテイク」。ファン一人ひとりの表情を確かめるように見つめながら、メインステージからサブステージに移動する姿が胸を打つ。会場がひとつになってタオルを回し、最後は全員でジャンプ。高揚感と一体感が最高潮に達し、パフォーマンスを終えた。

　最後はメインステージに戻り、ファンと集合写真を撮影。会場の隅から隅まで手を振って、笑顔を交わし合い、サンドリオン初のライブツアーが無事終了した。

　個々のパワフルさと4人のフランクで心地よい関係性が、そのままステージや客席に反映されているような、絶妙なテンポ感で進んだライブだった。アップテンポな曲を中心にしたタフな構成だったが、ライブが進むにつれ右肩上がりに4人のパフォーマンスがパワーアップしていく様子は圧巻だ。何よりファンとエネルギーのやりとりをし合うような関係性こそが、ライブ全体に漂う明るいムードを生み出しているように感じられた。

　来年も躍進し続けるだろうサンドリオン。これから4人はどのような進化を遂げるのか、否応なしに未来に期待が高まるツアーファイナルであった。