Little Glee Monster、『UP TO ME!』の作詞を通じた“歌”の変化 6人で挑戦したいことも明かす
Little Glee Monsterが、アニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』オープニングテーマを表題曲に据えたシングル『UP TO ME!』をリリース。同楽曲にはメンバー自身も一部作詞に携わり、新たな表現にチャレンジしている。また、カップリング曲の「Go For It」では全編をメンバーが作詞するなど、ミカ、結海、miyouの加入から約1年でグループとして確かな進化と成長が伝わるシングルに。来年にはメジャーデビュー10周年を迎えるLittle Glee Monsterに、今作の制作エピソードとこれからへの展望などを聞いた。(編集部)【記事最後にプレゼント情報あり】
【大好きな〇〇と…!】Little Glee Monsterにとっての秋は?
「UP TO ME!」の作詞では“韻の女王”結海が大活躍!?
──リトグリは現編成になって以降、いいペースでリリースが続いており、作品ごとに新しいことにも果敢に挑んでいます。今回のシングル『UP TO ME!』表題曲はテレビアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』オープニングテーマとしてオンエア中の、聴いているだけで元気をもらえる前向きな1曲。この曲にメンバーの皆さんが作詞でも関わるという話は、最初から決まっていたんですか?
かれん:もともとアニメに使われている89秒バーションの歌詞をCarlos K.さんが書いてくださっていて、それをレコーディングしてからフルバージョンを制作する段階で、2番以降を私たちで作詞することになりました。
──では、テレビサイズの段階では、この曲に対してどんな印象を持ちましたか?
miyou:最初に私とかれんちゃんでこの曲のプリプロをしたんですけど、サビの最後のところとかキーが高めで。それが自分の心の内を叫んでいるようなニュアンスだったので、歌いながらグッとくるものがあったし、メロディもすごくいいなと思いました。
結海:Aメロは静かめで、メロディや歌詞からちょっとネガティブな要素が伝わってくるんですけど、Bメロでちょっと盛り上がって、そのままサビにつなげるという流れがすごくいいなと思って。私はBメロの最初を担当したんですけど、歌うときもAメロとサビの架け橋として盛り上げられるように頑張りました。
──AメロとBメロに早口な節回しとゆったりした節回しが混在していて、緩急のつけ方が難しそうな曲ですよね。
かれん:そうなんです。Bメロのその節回しは私たち史上もっとも速くて。早口で正確に言葉を伝えるのが難しくて、挑戦でもありました。
──言葉を詰め込みすぎると、聴いて理解するのが難しくなっちゃいますもんね。特にアニメのテーマソングとなると、聴いている年齢の幅が広い分、わかりやすさがより求められますし。
MAYU:そうなんです。
──そのバートがあるから、壮大さのあるサビで一気に開ける感じが気持ちいいんですよね。そこから、2番以降の歌詞を皆さんで作詞していくことになると。
MAYU:1番の時点で韻を踏むことや語呂の良さを大事にしていたので、それを2番以降も引き継いでほしいと伝えられて。韻を踏んでいる曲って世の中にはたくさんありますけど、それを自分たちで生み出すとなるとやっぱり難しいんですよね。わかりやすい語尾で韻を踏む歌詞は、これまでもいろんな曲で歌ってきましたけど、それを自分たちでいろいろ調べながら作詞を進めていって。でも、この挑戦のおかげで初めて知った言葉だったり、同じ意味でも別の言い回しがあるという知識を得られたりして、新たな発見にもつながりました。特に今回はゼロから作詞するのではなくて、すでにある1番の世界に沿ったものを作っていかなければならなかったので、時間はかなりかかりました。
アサヒ:私やMAYUやかれんは、「明日へ」や「足跡」などで作詞を経験していますが、以前は自分が経験したことを言葉にして詰め込んだのに対して、今回の「UP TO ME!」はリトグリらしい元気な音楽とアニメの世界観から外れない形で、どういう言葉を当てはめていったらいいのかなと考えていくと、自分の引き出しでは足りなく感じてしまって。改めてもっと勉強しないとなと思いましたし、そういう意味でも新しい挑戦になりました。
ミカ:私は本格的な作詞自体初めての経験だったので、どこか徹夜でテスト勉強を頑張っている気分で(笑)。家の勉強机で歌詞を書いている姿が学生時代に勉強している自分と重なって、ちょっと懐かしくなりました。
MAYU:そうやって、6人がそれぞれ考えてきた歌詞から、いいところを集めて形にしていきました。
──このメンバーは意外な言葉を持ってきたなとか、そういう驚きってありましたか?
MAYU:“韻の女王”結海が大活躍でした(笑)。
miyou:まさに早口のパートですね。
結海:やめてください(笑)!
MAYU:2番のBメロでなかなかいいワードが浮かばなかったときに、結海が持ってきた〈新たな幕開けイントロダクション〉がぴったりハマって。よく思いついたなとびっくりしましたし、そういうメンバーの知らなかった才能が発揮されたのも大きな収穫でした。
結海:実は「採用されないかもしれない。でも、全力を出して書いてみよう」くらいの気持ちで書いたフレーズで。気負わずできたのがよかったのかもしれません。普段は考えを言葉にうまくまとめられないことも多いんですけど、部屋でひとりになって言葉を並べる作業はすごく楽しかったので、また挑戦してみたいです。
──考えてみたらミカさん、結海さん、miyouさんは加入1年未満で作詞に挑戦しているわけですね。自分が考えたフレーズが曲の中に含まれていて、それをリトグリとして歌うとなると、音楽との向き合い方もまた以前とは変わってくるんじゃないですか?
結海:はい。今までは作詞家さんが考えてくださった歌詞を歌ってきたので、自分たちが考えた言葉を実際に歌うとなるとより気持ちも入ったし、歌うときもいつも以上に心を込められているんじゃないかと感じています。
──とにかく言葉や歌からパワーをもらえる曲だなと思いました。一方で、カップリングの2曲は「UP TO ME!」とはまたタイプが異なっていて。「CELEBRATE」は全国高校対抗eスポーツ大会『STAGE: 0』コラボレーションソングとして制作された1曲です。
アサヒ:この曲はこの6人のハーモニーから始まるんですが、そういうことも久しぶりにやるなと思って。歌詞もeスポーツにちなんでいる一方で、みんなと一緒に戦うという点では「UP TO ME!」とのつながりも感じられますし、シングルとしてもいい流れが作れたなと思いました。
ミカ:私は最初に聴いたとき、スポーツを応援する空気が感じられて。仲間と一緒に夢を見て、前を進んでいこうみたいな歌詞でもあるので、部活で仲間と助け合いながら、時にはぶつかり合って、いろんなことを乗り越えて頑張っていこうという絵が浮かんできたんです。なので、歌っている私たちも「この6人で頑張ろう!」っていう気持ちになれる1曲です。
MAYU:前作の「今この瞬間を」くらいから、サビでは従来のリトグリらしく高めのキーなんですけど、歌い出しのキーが低いところから始まる曲が続いていて。リトグリって、高いところを(声を)張って出すみたいなイメージがあると思うんですけど、低音で歌うことでまた違う一面を見せられる反面、続けて歌っていると高低差のつけ方に難しさを感じたりもするんです。私たちも年齢を重ねたことで、皆さんにお届けできる楽曲の幅も広がってきましたし、従来のイメージとは違う魅力も見せられるようにもなったので、そういう新しさをこの曲を通じて見せられるのはうれしく思います。
──MAYUさんやmiyouさんは低めで深みのある歌声なので、こういう落ち着いたキーでゆったりめの楽曲が似合っているなと思いました。
miyou:うれしい。確かにこの曲は、すごく気持ちよく歌えました。毎日が誰かのお祝いの日なわけで、自分のことを責めたりすることがあっても「今日だけはお祝いしようぜ」とか、「みんな、今日はいいんやで?」っていうポジティブな気持ちを込めて歌っています。先日、『Little Glee Monster Live Tour 2023 “Fanfare”』の神戸公演(10月29日の神戸国際会館こくさいホール公演)がリトグリのデビュー9周年当日だったので、お祝いの意味も込めて特別な気持ちになりました。なので、皆さんがそれぞれお祝いしたいことがあったり、おめでたいことがあったときにはこの曲を聴いてほしいです。
かれん:この曲はメロディからも前向きさや鼓舞される感じが伝わりますよね。私たちも実際にeスポーツの大会当日に皆さんの戦う姿を見せていただいたんですけど、ゲームを極めるって本当にすごいことなんだなと実感しましたし、離れた場所にいるけどオンラインでつながって、何時間もぶっ続けでゲームをするその姿を目の当たりにして、より「届け!」っていう思いが強まりました。