ここで、ユニットステージへ。今回のコンサートでは、2ndアルバム『COCONUT』初回生産限定盤Bに収録された3曲を披露。まずは、MAKO、AYAKA、MIIHIが洗練されたポップなサウンドが印象的な「LOVE YOURSELF」を、クリアな歌声とともにキュートにパフォーマンス。すると、赤いライトの中でRIO、MAYA、RIKUが登場。椅子を使ったダンスパフォーマンスで、「secret」という楽曲が持つ大人の女性らしい雰囲気をクールに表現していく。そして、RIMAの弾けるようなラップから「JUMP」をMAYUKA、RIMA、NINAが披露。サビの〈JUMP〉という歌詞に合わせて3人が飛び跳ねるような振付を踊ると、ファンもその場で飛び跳ね、会場全体が一体感に包まれていく。楽曲の終盤では、NINAの歌う〈JUMP〉という歌詞が圧倒的な声量とブレない高音で響き渡り、改めて彼女の歌唱力の高さに酔いしれるシーンも見られた。

　そして、衣装を着替えたメンバー9人が登場し、2ndアルバムよりタイトル曲「COCONUT」をパフォーマンス。会場を一気に常夏の陽気な空気に変えると、「LOOK AT ME」「Step and a step」を続けて披露し、MCを挟んで「Raindrops」を歌唱。さらに『映画ドラえもん のび太と空の理想郷（ユートピア）』の主題歌を務めた「Paradise」を披露すると、メンバーの高音域を強みとするしっとりとした歌声が会場全体に響き渡り、バンドによる生演奏ならではの雰囲気も相まって、思わず鳥肌の立つ圧巻のステージを繰り広げていった。

　MCで会場とのコール＆レスポンスを楽しんだ後、メンバーからコンサートがいよいよ終わりに近づいているというアナウンスが。あっという間に過ぎていく楽しい時間を惜しみながら、「CLAP CLAP」の演奏がスタートすると、重く響くビートと厚みのあるエレキギターのサウンドに合わせて、メンバーがクールなパフォーマンスを展開。そして、再び公式キャラクターのNIZOOが登場し「Make you happy」で本編終盤を鮮やかに盛り上げると、ラストは「Take a picture」でメンバーのキュートな魅力とクリアな歌声を堪能する時間に。この楽曲では、「夏祭り」らしく青や緑、金色と色とりどりの花火が夜空に咲く演出もあり、本編は最後まで楽しげな空気をまとったまま幕を閉じた。

　ステージからメンバーが去ると、すぐさまアンコールの大合唱が。その声に応えるように、客席の間を移動するトロッコに乗ってメンバーが登場すると、アンコールステージとして「Short Trip」「Sweet Bomb！」「Super Summer」を続けて披露。会場にカラフルなボールを投げたり、ファンと目を合わせながら大きく手を振ったりと、メンバーは至近距離でのファンとのコミュニケーションを楽しんだ様子。そして、メンバーがメインステージに戻ると「Need U」を歌唱。曲の合間にMIIHIが「夢を叶えてくれてありがとう！」、RIKUが「WithU、ずっとずっと一緒だよ！」と叫ぶなど、ファンへの大きな愛がこもったステージを繰り広げていく。そして「Twinkle Twinkle」を披露すると、本公演最後のMCへ。

　MCでは、メンバー一人ひとりが本公演の感想やファンへの想いをコメント。MAYAは、今回の公演に合う言葉は「最高」だとしながら、「たくさんの愛とエナジーと笑顔をもらった最高の3カ月間、一生忘れません。NiziU最高、WithU最高！　またみなさんのもとに会いに来るので、そのときまで待っていてください！」と、本公演への想いを語り、ファンとの再会を約束した。MIIHIもファンへの感謝の気持ちを何度も言葉にすると、最近は「NiziUならなんでもできる。9人が揃えば無敵」という言葉をメンバー間でよく話すというエピソードを披露し、「WithUのみなさんがくださった自信があってこそ、こうして強くて大きなグループになれたんじゃないかなと思っています」と、スタジアム公演が成功したことへの感謝の気持ちを語った。

　RIKUはツアーを通じて、自身が人に恵まれていることを実感したと述べ「こんなにいい人たちに出逢えてよかったなと思います。みなさん、本当に私と出会ってくれてありがとうございます」と、改めてファンへの想いを感極まりながら口にした。さらにMAKOはライブへの想いを語り、「私は本当にライブが好きだなって」「大変な時間があったとしても、みなさんの前でパフォーマンスをすれば、大変だった記憶も飛んでいってしまうくらい、私たちにとって本当に意味のある場所なんです」「また次は違う形でお会いできたらと思っているので、それまで待っていてください！」とコメント。最後はRIMAが締め、「私もみんなも、スタッフのみなさんも（今日は）みんな幸せだったと思うんですよ。それって理由があって。一人ひとりが人生を頑張っているじゃないですか。一人ひとり頑張っている素敵な皆さんが一カ所に集まったときに、こんなに幸せが訪れるんだなと思いました」と語ると、「今日は笑顔で終わりたいなと思ったので、みなさんと一緒に特大の『わっぴー』で終わりたいなと思います」と、会場全体で「わっぴー！」と叫んでMCを終えた。

　恒例の写真撮影では、今回は観客の声出しが可能になったこともあり、WithUから「Step and a step」を歌うというメンバーへのサプライズが。会場全体に響き渡る約3万人もの歌声とファンが手に持った「NiziUといるこの一瞬一瞬が幸せ♡」というスローガンにメンバーは感涙。MAKOがメンバーを代表して「私たちもWithUと一緒にいるこの瞬間が幸せです！」と語り、「これからも私たちNiziUは、WithUのみなさんの期待に応えられるように一歩ずつ成長していくので、応援してください」と、ファンからのサプライズにコメントした。

　アンコールのラストは、メンバーが広いステージに散らばり、会場全体に大きく手を振りながら「Wonder Dream」「Baby I'm a star」をパフォーマンス。そして、改めてダンサーや会場設営スタッフ、バンドメンバーなど、今回の公演に関わったすべてのスタッフに感謝を述べ、ステージを左右に行き来しながら会場のファンに手を振り、何度も何度も感謝の言葉を口にする姿が印象的だった。

　全編バンドによる生演奏でパフォーマンスを行った今回のスタジアム公演。メンバーの表現の幅がさらに広がり、これまで以上に彩り豊かなステージを展開するNiziUに、息をつく暇もないほど魅了された約3時間半だったように思う。

NiziUライブ写真をすべて見る