最後に登場したPROTOSTARには、この日一番の大きな拍手と歓声が上がる。1曲目は「星瞬My wish!」。センターを務める清瀬明良役・戸谷菊之介が体調不良で急遽出演できなくなったが、ダンスのフォーメーションやボーカルワーク、演出はそのままに、直江万里役・山口諒太郎と五十鈴川千紘役・平井亜門が王道のアイドルらしく笑顔でパフォーマンスを見せる。ペンライトを清瀬明良のイメージカラー・赤に染めるファンも多く、あたたかい空気が感動的だ。

　「みんなに会えて嬉しい！」「ペンライトが3色、すごいきれい！」とファンに会えた喜びを爆発させた2人は、「菊之介の分も盛り上げるから、楽しもうね！」と呼びかける。キャラ名ではなく、自分の名前でのコール＆レスポンスを希望し、喜ぶ2人に客席からは「かわいい！」という声が漏れ聞こえる。戸谷の名前をコールするシーンもあり、キャラクター同様に仲間思いでフレッシュな、PROTOSTARのカラーが示されたMCタイムであった。

　星空が描かれたステージで歌われた「トリプレット」は、キャラクターの想いと自らの想いを重ね丁寧に歌われたのが印象的。正統派アイドルソングの「YOU」では客席の近くまで移動し、爽やかな笑顔を見せる。最後の「吠えろ！クロスファイヤー」では、コロコロと表情を変えながら力強いボーカルでキュートかつパワフルに歌いきり、PROTOSTARとしてのステージを見事に完成させた。戸谷の不在には悔しい思いもあっただろうが、完全体のPROTOSTARへの期待が高まる充実のパフォーマンスだったと言えるだろう。

　本編最後の曲はPROTOSTAR、LEGIT、JAXX/JAXXのメンバーによる「Unite up!」。アニメでの円陣を組むシーンがスクリーンに映し出されたその真下では、キャラクターと同じ衣装に身を包んだキャスト陣が同様に円陣を組み、掛け声と共に曲がスタート。サビ部分のフォーメーションダンスには圧巻の統一感があり、ソロパートではそれぞれの個性や組み合わせの妙が遺憾なく発揮される。「UniteUp!」というひとつのチームの唯一無二の魅力が示された一曲だった。

 

　ファンからの熱いアンコールの後、ライブTシャツ姿で再登場した10人。歌われたのは「ユメノトビラ」だ。グループの枠を超えてメンバーが混ざって笑顔を交わしながらサインボールを投げ、客席に全力のファンサービスをしながら感謝を伝える全員の表情は喜びに満ちていた。

　MCでは、10月から4週連続で新曲がデジタルリリースされること、そしてTVアニメ第2期制作決定が発表となり、会場が一つとなって喜びを爆発させた。ラストナンバーはこの日2度目の「Unite up!」。「ありがとう！」「最高！」「楽しかった！」と感謝の気持ちを伝えながら歌う姿は、「UniteUp!」の未来を暗示するかのような晴れやかなものであった。

　TVアニメの完全再現に加え、キャラクターとキャストの個性が交わり、彼らの底知れない魅力や才能を深くから引き出し、キャラクターにも新たな表情を見出すことに成功した、まさに“多次元”なライブだった。

　また急遽のセンター不在という苦境に際しても、グループの固い絆・グループを超えてのチームワークがあるからこそそれを乗り越え、このライブに込められた想いがファンにも伝わり、会場全体に熱いうねりを生み出したように感じられた。そんな熱いライブを経た彼らが、新曲やTVアニメ続編でどのような輝きを放つのだろうか。

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