洒脱なイントロで幕を上げる「One verse」は、リラックスしたビートとフロウがじつに心地よい1曲。ひとことでいえばメロウなチルポップという印象だが、繊細な音色を使った音数の少ないバックトラックとなっており、キックやリズムがあまり前面に出ていないところが新しい。ゆえに、空間を漂うような柔らかなグルーヴが楽曲の肝になっており、ラップをラップと感じさせない点が個性でもある。こうした“聴き手をリラックスさせる”音像を作り出せていることは、MANSION PARKの強力な武器だ。

　さらなる新曲「Player」もすでにデジタルリリースし、配信ベースでファンを拡大するための術をしっかり実行しているMANSION PARK。曲調のジャンルも幅広く、高音を綺麗に聴かせたかと思えば、滑舌のよさとスキルを活かして、低音での高速ラップも得意とする。epe.freaksとMin@の声質の違いによるコントラストも持ち味になっている。

　彼らが〈でかくなるCanvas〉に、これからどのようなサウンドを描いていくのか。期待が募る。

※1：https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2023-06-21
※2：https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=tiktok&year=2023&month=06&day=26