この日はツアーファイナルということもあり、「新人類」からはニコニコ生放送での配信も行われていた。まらしぃが配信の視聴者に呼びかけると、スクリーンにはコメントが流れ、普段の配信画面を見ているような気分に。配信組が合流しさらに賑やかになったところで、「ナイト・オブ・ナイツメドレー」へ。「ナイト・オブ・ナイツ」に始まり、「Help me, ERINNNNNN!!」などの東方アレンジ曲、「トンデモワンダーズ」（sasakure.UK）、「シャルル」（須田景凪(バルーン)）といったボカロ曲、「ハレ晴レユカイ」（『涼宮ハルヒの憂鬱』より）、「アイドル」（YOASOBI／『【推しの子】』より）、「コネクト」（ClariS／『魔法少女まどか☆マギカ』より）、「KICK BACK」（米津玄師／『チェンソーマン』より）などアニソンやJ-POPといった幅広いラインナップをダイナミックに繋ぎ合わせ、「ナイト・オブ・ナイツ」に戻っていく。

　会場は手拍子、スクリーンに映るコメントでは弾幕が飛び交い、コメント職人によるグラフィカルなコメントアートが映し出されたりと、配信と会場の魅力を合わせた演出で熱気も高まる一方だ。パワフルな演奏と、それを見守る会場や配信のファンの熱気によって最高潮の盛り上がりを見せたところで、本編は幕を閉じた。

　熱いアンコールに応え再登場したまらしぃは、カルッツかわさきでの思い出を語りはじめる。2019年『かわさきジャズ』のイベントにて、この会場で初音ミク、鏡音リンとの共演を果たしたまらしぃ。「未だにそのときのことを夢に見ます」と振り返ったまらしぃは、当時の共演に向けて作った楽曲「霖と五線譜」と、初音ミクへの思いを綴った「空想少女への恋手紙」をマイクを通さずに生音で披露。柔らかい生音は「霖と五線譜」のテーマにもなっている雨の雰囲気にぴったりで、思いを呟くように弾いた「空想少女への恋手紙」は思い出のあるこのステージだからこそのニュアンスが込められているように思える。その後、ゲストとして初音ミクを呼び込むと、「青く駆けろ！」を彼女の歌に合わせて演奏するサプライズも。身振りとともに歌う初音ミクの通る声とまらしぃのダイナミックな演奏が混ざりあい、力強く応援ソングの歌詞を届ける。最後には「夢、時々…」を演奏し、しっとりと名残惜しむように弾き切ると、半年間にわたるツアーを終了させた。

■セットリスト
1 Love Piano
2 千本桜
3 SnowMix♪
4 六兆年と一夜物語
5 88☆彡
6 ネイティブフェイス
7 Re:Unknown X
8 七彩
9 アマツキツネ
10 弧ギツネの乱
11 天照ラセ
12 新人類
13 ナイト・オブ・ナイツメドレー
　アンコール
14 霖と五線譜
15 空想少女への恋手紙
16 青く駆けろ！ (with 初音ミク)
17 夢、時々…