センターの丹生を、影山と上村が挟むフォーメーションも注目に値する。前述の通り、影山は今作の活動をもって、グループを卒業することを発表している。2016年5月に前身グループ・けやき坂46の一期生として加入した彼女にとっての有終の美だ。ここまで共に歴史を築き上げてきたメンバーは“最後に良い思い出を作ろう”という気持ちが大きいだろう。

　三期生の上村は「僕なんか」でフロントを経験しているものの、センターのすぐ横に位置づくのは、今作が初めて。ここ最近は小坂と共に「ソニー損保 自動車保険」のCMに出演しているほか、『日経エンタテインメント！』（日経BP社）で「ピュアで真っ直ぐな変化球」を連載しているなど、さまざまなメディアに出演する機会が増えている。四期生という初めての後輩ができたことで、より成長できている部分もあるはず。今作を通じて、ますます頼もしい姿を見せてくれることだろう。

　センター最多経験の小坂は、表題曲で初めて2列目の真ん中に配置された。しかし、そこは“裏センター”と呼ばれるポジション。テレビ番組でパフォーマンスする際にはカメラに抜かれる頻度も高く、小坂に目を奪われる人も多くいることだろう。小坂の横には河田陽菜、金村が位置づける。苦楽を共にした二期生の面々が丹生をバックアップする体制が敷かれているのだ。

「One choice」フォーメーション

3列目：佐々木美玲、山口陽世、高瀬愛奈、高本彩花、東村芽依、潮紗理菜、森本茉莉、高橋未来虹
2列目：富田鈴花、松田好花、河田陽菜、小坂菜緒、金村美玖、濱岸ひより、佐々木久美
1列目：齊藤京子、影山優佳、丹生明里、上村ひなの、加藤史帆

　昨年9月に四期生12人が加入したことで、現在では32人の大所帯グループとなっている日向坂46。その一体感は間違いなくグループの強みとなっているが、今回の表題曲に四期生が参加していないことを思えば、もしかしたら次回の作品では、何かしらパフォーマンス形式に変化が訪れるかもしれないーーそういう意味でも「One choice」のフォーメーションは高い関心を集めている。

　日向坂46は4月1、2日に、神奈川・横浜スタジアムでデビュー4周年記念ライブ『4回目のひな誕祭』を開催する。ニューシングル発売直前ということもあり、その舞台で「One choice」が披露される確率は高いだろう。果たしてどんな曲に仕上がっているのか、そして9枚目シングルの活動を通して、ファンにどんな喜びを与えてくれるのか。引き続き、彼女たちの進化するパフォーマンスに注目だ。