シングルにはもうひとつ、「TIME FLIES.」と題したカップリング曲も用意されている。ストレートな疾走チューンという点では「転生したら剣でした」と共通するものがあるが、メロディの高低差や起伏に富んだアンサンブルが魅力の同曲よりもずっしり構えたかのような安定感が印象に残る。だからこそ「光陰矢の如し」を意味する曲名のように、歌詞で歌われる「過去や未来には囚われたくない。僕らは僕らだけの今を生きていくんだ」というメッセージがより強く、そして心に深く刺さるはずだ。今を肯定する「TIME FLIES.」に、未来への一歩を後押しする「転生したら剣でした」と、それぞれのシチュエーションによって曲から貰う感情も異なるが、リスナーを鼓舞するという点においては両曲共通。コロナ禍以降の混沌とした時代における新たなバイブルになりそうな作品であると同時に、岸田教団＆THE明星ロケッツにとっても次の10年に向けた新たな所信表明と言えそうなシングルだ。

　また、本作の初回限定盤付属Blu-rayには、先に触れた『LIVE TOUR 2022「異世界転生したらライブハウスでした。」』から、4月17日のHEAVEN’S ROCK 宇都宮公演の模様が完全収録されている。ベストアルバムを携えたツアーということもあり、セットリストはまさに岸田教団＆THE明星ロケッツを代表する名曲がずらりと並んだもの。スタジオ音源以上に生々しいバンドサウンドと躍動感の強いボーカルは、ファンならずとも必見と言える仕上がりだ。また、コロナ禍において観客は声を出せない環境にあるものの、会場に充満する熱気は画面越しでもダイレクトに伝わり、アニメを通じて彼らに興味を持ったJ-ROCKリスナーにも十分アピールできる内容でもある。そういった意味では、初回限定盤を通じてバンドの過去と現在をライブ映像から、ここから先の未来を新曲2曲から感じ取ってもらえることだろう。

　このシングルを携え、2023年2〜3月には大阪、愛知、神奈川の3都市をまわる『岸田教団のぎゃくしゅう2023 〜味方にすると頼りなく敵に回すと鬱陶しい〜』も開催。今回のシングルをきっかけに興味を持った方々には、生で彼らの魅力に触れられる絶好の機会となる。アニメファン界隈ではすでに周知の存在の彼らが10周年という節目を経て、ここからどんな広がりを見せていくのか。今回のシングルは、その布石になることを願っている。

■リリース
岸田教団＆THE明星ロケッツ
『転生したら剣でした』
2022年11月30日（水）発売
初回限定盤：4,950円（税込）
通常盤：1,650円（税込）

■ライブ情報
『岸田教団のぎゃくしゅう2023　～味方にすると頼りなく敵に回すと鬱陶しい～』

＜大阪公演＞
日程：2023年2月23日（木）
会場：UMEDA CLUB QUATTRO（大阪・梅田）
時間：17:00/18:00　開場/開演
料金：4,950円　3歳以上要チケット　（ドリンク代別途必要）
問合せ先：夢番地（大阪）06-6341-3525　
（平日 12:00～17:00 / 土日祝 休）

＜愛知公演＞
日程：2023年2月25日（土）
会場：Electric Lady Land 愛知・名古屋）
時間：17:00/18:00　開場/開演
料金：4,950円　3歳以上要チケット　（ドリンク代別途必要）
問合せ先：ZOOM　052-290-0909　
(平日 12:00～18:00 / 土日祝 休）

＜神奈川公演＞
日程：2023年3月12日（日）
会場：CLUB CITTA’（神奈川・川崎）
時間：16:00/17:00　開場/開演
料金：スタンディング　4,950円　/　2F　指定席　5,500円　3歳以上要チケット　（ドリンク代別途必要）
問合せ先：DISK　GARAGE　050-5533-0888　
（平日12:00～15:00）

岸田教団＆THE明星ロケッツ Official WebSite