「僕たちも加速していきたい」と刺激を受けたHiHi Jets

　「JUST DANCE!」の初解禁は、Travis Japanが渡米までパーソナリティを務めていた『らじらー！サタデー』（NHKラジオ第1）午後10時台だった。現在はジャニーズJr.ユニット、HiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍が週替わりで担当しており、この日はHiHi Jetsの髙橋優斗と猪狩蒼弥が登場した。「JUST DANCE!」はグローバルデビューということから英詞だが、冒頭に「行くぞ！」と日本語で掛け声が入っているなど日本らしさも感じられる曲。猪狩は「J-POPの感じで英詞にしてる。これがアメリカに受け入れられたら、J-POPが受け入れられるのと一緒」と、音楽的魅力について語り、髙橋はここからTravis Japanの真骨頂でもある、ダンスが付けられた動画が出るのではと期待を寄せていた。「そっちが本命かもね！」「楽しみですね！」と、ジャニーズを背負って世界に羽ばたくTravis Japanの背中を押す形となった。

　とはいえ、同じデビューという夢を追いかけた関係上、先に夢を掴んだTravis Japanに悔しさがまったくないわけではないというのが、正直な気持ちだろう。10月1日放送回では、同じくHiHi Jetsの井上瑞稀と橋本涼が「おめでとうございます！　最近会えてなくて直接言えてないけど」「おめでたいね」とお祝いの言葉を述べつつも、井上が「ここで“おめでとう”だけの感情を持つようなジャニーズJr.でいたくないなとも思うので。僕たちもより加速していこうと！」と発言していた。こうした負けん気こそが、ジャニーズJr.という多くの可能性の中から精鋭としてデビューしていくのには欠かせないもの。次は自分たちが必ず夢を叶えるという気持ちがさらに強まったのだと感じられる瞬間だった。

「俺らの仲間」とさり気なくエールを送ったSixTONES

　もちろんTravis Japanも、これまで多くのデビュー組を見送り、悔しい思いを噛み締めてきた過去を持つ。なかでも、印象的だったのは2019年8月8日に東京ドームで開催された『ジャニーズJr.8・8祭り〜東京ドームから始まる〜』でのSixTONESとSnow Manの同時CDデビューの発表だった。

　SixTONES、Snow Manと共にジャニーズJr.を牽引していたTravis Japan。3組横並びで活躍してきたなかで、2組が同時に一歩先に進んでいったこと。ジャニーズJr.ライブ＆ドキュメントDVD『素顔4』で「なんか取り残されているように見えるじゃないですか。っていうのは残酷だなと思いましたけど、残酷さもエンターテインメントになるし、ドラマになるから。“やるじゃねえか……やるな”って」と闘志を消さなかったリーダー・宮近海斗の言葉が忘れられない。運命はいろいろなめぐり合わせで一気に動き出す。アメリカ留学、ダンスコンテスト、オーディション番組……と、Travis Japanはその時々のチャンスを一つずつ拾い集めて今回の全世界デビューへとコマを進めた。彼らの今の磨き上げられた姿には、あの残酷な場面も必要不可欠だったのだとも思わせてくれる力強さがある。

　そんなTravis Japanに向けて、10月15日放送の『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』（ニッポン放送）では、SixTONESの田中樹がひとこと「僕らの仲間ですね！」と端的に触れたのも彼ららしかった。実は10月11日にはTravis Japanの川島如恵留も公式モバイルサイト「Johnny's web」内のブログにて、休憩中にSixTONESがYouTube上で公開した楽曲「PARTY PEOPLE」が出てきたことから、3時間ほど「ずっとSixTONESをみてる」と記述していた。そして「超好き。まじかっこいい」とも。それぞれ言葉数少ないコメントに、まだまだお互い通過地点だという気概も感じられる。いつかSixTONESとTravis Japanが世界のステージで競演する……なんて新たな夢も思い描きたくなる、良きライバル関係だ。

　ジャニーズ史上初となるグローバルデビューを果たすTravis Japanを、ジャニーズファミリー全体が応援していることが伝わってくる、それぞれのリアクション。きっと配信リリースがスタートすれば、また多くの反応が見られることだろう。ジャニーズに新たな風を吹かせるTravis Japanに、そしてその活躍を励みに前進していくジャニーズメンバーにも注目だ。