ロッキン、サマソニ……“都市型フェス”はメリットだらけ? 存在感増す一方で抱える問題点とは

 では、都市型フェスにはメリットしかないのかと言われたら、そうではない。例えば、都市内、または近郊の施設や会場を使ってイベントを行っている以上、会場内の動線が問題化しやすい。『COUNTDOWN JAPAN』のように会場である幕張メッセを熟知し、運営側にも豊富なノウハウがあるものは別かもしれないが、さいたまスーパーアリーナやインテックス大阪などを会場とした都市型フェスの多くは収容人数に対して移動路が狭くなってしまうため、複数ステージを設けてしまうと移動がスムーズに行えず、想定したタイムテーブル通りに動けなくなる、というケースもあるようだ。広大な立地で開催される郊外型フェスでは、ステージ間の移動で詰まることは少ない。動線問題が多発する可能性を多く孕んでいる以上、ここが都市型フェスのデメリットだと考えられる。

 とはいえ、純粋に快適さや利便性で考えるならば、都市型フェスの方にメリットが多いのは間違いない。また、アクセスが良いのは参加者のみならず、演者にも言えることであり、この先も都市型フェスの存在感が増すことが予想される。

 千葉・船橋の新アリーナをはじめ、東京のZepp Shinjuku (TOKYO)や大阪のGORILLA HALL OSAKAなど、会場として機能しそうな“箱”も増えていくことから、都市型フェスは今後も増加するのではないだろうか。

 とはいえ、フェスの増加=参加者の増加に繋がるかといえば、それは開催するまでわからない。すべてのフェスがカラーやアクト含めて差別化できたらいいが、どうしてもあるラインで被りが出てくることも想定される。つまり、一部の都市型フェスをのぞいて淘汰されていく可能性もある(参加者のパイに対して、イベントの総数が増えると起こりうる現象であろう)。そういった部分とどう折り合いをつけながら、都市型フェスは盛り上がっていくのか。この先大きなポイントとなりそうだ。

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