三嶋与夢によるライトノベルで、“モブせか”の通称でお馴染みの『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』（AT-X、TOKYO MXほか）もアニメ化。女尊男卑の乙女ゲームの世界に転生したモブが、ゲームの知識を用いて運命を変えていくといういわゆる“異世界転生もの”のストーリーだが、伊東歌詞太郎と安月名莉子が歌う各テーマ曲がまた素晴らしい。伊東はオープニングテーマ「サイレントマイノリティー」を、安月はエンディングテーマ「selfish」を担当しているが、前者は作品のアグレッシブな面を、後者はシニカルな部分をサウンドやボーカルで表現し、これが映像と見事にハマっている。アーティスト先行でアニメを観る人でも、アニメ先行でアーティストを聴く人でも、双方向でコンテンツを楽しむことができる共犯関係が、本作からは強く感じることができるはずだ。

　真木蛍五の漫画をアニメ化した『可愛いだけじゃない式守さん』（テレビ朝日系）は4月9日より放送がスタート。不幸体質でトラブルに巻き込まれがちな和泉くん、その彼女で和泉くんがピンチに陥るたびに意外な一面を見せる式守さんの日常を描くラブコメ作品で、おそらく多くの原作ファンがアニメ化を心待ちにしていたはず。そんな期待作のテーマ曲を、YouTubeシンガー・なすお☆と中島由貴が担当。PVで流れるなすお☆が歌うオープニング「ハニージェットコースター」は、和泉くんと式守さんの波瀾万丈で気の抜けない日々を、ナチュラルな歌声と煌びやかなポップネスで彩る。エンディングの中島由貴「Route BLUE」は未だ解禁されていないが、どのような楽曲なのか初回放送と合わせてチェックしたい。

　これら以外にも、今期は『このヒーラー、めんどくさい』（TOKYO MXほか）で大西亜玖璃（オープニング担当）が、第2期がスタートする『古見さんは、コミュ症です。』（テレビ東京ほか） を伊藤美来（オープニング担当）がそれぞれ新曲を提供するなど、作品と共に声優らの新たな歌声にも耳を傾けてもらいたい。